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  図書室・第3分室

ゲルマン系神話・伝説の参考文献一覧。雑誌掲載論文に貴重なものが少なくないです。
原則的に出版年順に並んでいますが、明らかな続編は続けて記載しています。


凡例
著者・訳者などジャンル
 『書名』・「論文名」内容
出版者(論文の場合は掲載雑誌名)出版年
参考にした武器項目
 備考(翻訳書の底本、代表以外の執筆者・訳者、付録など)


3.ゲルマン系神話・伝説

A. 邦語図書  B. 邦語論文  C. 外国語図書

A. 邦語図書

松村武雄編再話
 『世界神話伝説大系23 ドイツの神話伝説〔Ⅰ〕』伝説(NIB・DIE他)
名著普及会1980.6(初版1928.8)
ミームング
 「ニベルング物語」「グードルン物語」「幻の女」「脱走騎士」「白鳥騎士」「ディートリッヒ伝説」「聖盃物語」「血戦の悲しみ」など、ドイツの神話伝説を36話収録。巻頭に「ドイツの神話伝説解題」がつく。

松村武雄編再話
 『世界神話伝説大系29 北欧の神話伝説〔Ⅰ〕』神話・伝説
名著普及会1980.9(初版1927.7)
グラム
 冒頭に「北欧の神話伝説解題」を収録。続いて「北欧神話伝説集〔I〕」として、宇宙創成、オーディン、フリッガ、トル、チル、ブラギ、イヅン、ニオルド、フライ、フライア、ハイムダルの各神話を載せる。

松村武雄編再話
 『世界神話伝説大系30 北欧の神話伝説〔Ⅱ〕』神話・伝説
名著普及会1980.9(初版1927.7)
ミームング
 ウラー、フォルセティ、ヘルモッドおよびファリ、フィダル、イーギルとラン、ロキ、ヘル、バルデル、世界破滅、新世界出現、ノルン、ファルキルの各神話、黒侏儒と妖精、巨人、フォルスング家、フリチオフ、ラグナルその他の各伝説を収録。

相良守峯訳原典
 『ニーベルンゲンの歌 前編』伝説(NIB)
岩波書店(岩波文庫)1975.1(初版1955.8)
バルムンク
 中世の原典(ザンクト・ガレン本)からの直接訳。翻訳にあたってはテキストとしてブロックハウスの刊行でカール・バルチュの注釈のついた『ニーベルンゲンの歌』を用い、文句の解釈もこの本によったところが多い。1955年初版、1975年に改訳。

相良守峯訳原典
 『ニーベルンゲンの歌 後編』伝説(NIB)
岩波書店(岩波文庫)1975.2(初版1955.11)
バルムンク
 中世の原典(ザンクト・ガレン本)からの直接訳。全39歌章のうち、第20歌章以下を収録。「クリエムヒルトの復讐」との副題がつく(上編の副題は「ジーフリトの暗殺」)。1955年初版、1975年に改訳。

松谷健二訳原典
 『エッダ/グレティルのサガ 中世文学全集Ⅲ』神話・伝説(ICE)
筑摩書房(ちくま文庫)1986.12(1971.12)
リジル, イェクルスナウト, カールスナウト
 「エッダ」のテキストは、主としてR.C.ブール編のものにより、G.ネッケル、F.ヨーンソンのものを参照。「グレティルのサガ」もR.C.ブール編のものによっている。1971年12月20日、筑摩書房が刊行した「筑摩世界文学大系10」中に収録された作品を文庫化したもの。

グレンベック著 ; 山室静訳再話
 『北欧神話と伝説』神話・伝説
新潮社1971.12(原著初版1927, 普及版1965)
グングニル, ダーインスレイヴ, テュルフィング, スクレープ, エッテタンゲ
 Vilhelm Grønbech, Noediske Myter og Sagn, 1927 の全訳。ただし、訳出の際のテキストは、ギュレンダル社の「ふくろう文庫」に収録されている普及版(1965)。著者ヴィルヘルム・グレンベックは、デンマークの碩学。

V.G.ネッケル, H.クーン, A.ホルツマルク, J.ヘルガソン編 ; 谷口幸男訳原典
 『エッダ―古代北欧歌謡集』神話・伝説
新潮社1973.8(原著1962, 1950)
グングニル, ミョッルニル, ダーインスレイヴ, レーヴァテイン, グラム, リジル, フロッティ, テュルフィング
 いわゆる『古エッダ』と『スノリのエッダ』第一部「ギュルヴィたぶらかし」の邦訳。『古エッダ(EDDA)』の底本は、V.G.Neckel & H.Kuhn の刊本(第三版, in Heidelberg 1962)。『スノリのエッダ(SNORRI STURLUSON, EDDA)』は、北欧文学叢書中の一巻、A.Holtsmark & J.Helgason の刊本(第二版, in Stockholm 1950)。

岡崎晋著概説
 『北欧の神々』神話
鷹書房(北欧文庫Ⅱ)1975.8(原著1965)
グングニル
 アナース・ベックステッズ著《北欧の神々と英雄たち》Anders Bæksted : Guder og Helte i Norden の1965年版の全訳? 固有名詞のカタカナ表記は、原書の現代デンマーク語に拠る。

谷口幸男著概説
 『エッダとサガ―北欧古典への案内』神話・伝説
新潮社(新潮選書)1976.3
グラーシーザ, レヴィ, スニュルティル, ヘーキング
 「序章 アイスランド」「第一章 エッダ(1 神話/2 英雄伝説)」「第二章 サガ(1 宗教的学問的著作/2 王のサガ/3 アイスランド人のサガ/4 伝説的サガ)」の3章立て。巻頭に「まえがき」、巻末に「あとがき」「アイスランド略年表」「参考文献」つき。

菅原邦城訳・解説原典
 『ゲルマン北欧の英雄伝説―ヴォルスンガ・サガ―』伝説(NIB)
東海大学出版会(北欧文化シリーズ)1979.7
グングニル, グラム, リジル, フロッティ
 Vlsunga saga(「ヴォルスング一族のサガ」)の原典直訳。底本は、Vlsunga saga. The Saga of the Volsungs. Edited and translated with introduction, notes and appendices by R.G.Finch. London : Nelson, 1965 (Icelandic Texsts)。

谷口幸男訳原典
 『アイスランド サガ』伝説(ICE・NIB)
新潮社1979.9
グングニル, グラム, リジル, フロッティ, ラング, ナズ, ドラグヴァンディル, スクリューミル, "足咬み", スコヴヌング
 6篇のサガを収録。『エギルのサガ』は同人誌『形成』(三修社)に1966年から8回、5年間にわたって連載したものに手を入れたもので、底本は、F. Jónsson 編 Egils saga Skallagrímssonar, Altnordische Saga-Bibliothek Bd. 3 Halle (Saale) 1924。 「グレティルのサガ」の底本は、Guðni Jónsson, Grettis saga Ásmundarsonar Íslenzk fornrit VII Reykjavík 1936。 「ラックサー谷の人びとのサガ」は、Einar Ól. Sveinsson, Laxdœla saga Íslenzk fornrit 5 Reykjavík 1934。 「エイルの人びとのサガ」は、E. Ó. Sveinsson / M. órðarson, Eyrbyggja saga Íslenzk fornrit IV. Reykjavík 1935。 「ヴォルスンガサガ」の底本は、R. G. Finch, The Saga of the Volsungs Nelson's Icelandic texts London and Edinburgh 1965 の対訳本。 「ニャールのサガ」には、E. Ó. Sveinsson, Brennu-Njáls saga Reykjavík 1954 Íslenzk fornrit 12 と F. Jónsson, Brennu-Njálssaga Halle a. S. 1908 Altnordische Saga-Bibliothek 13 を使用。

ステブリン=カーメンスキイ著 ; 菅原邦城, 坂内徳明訳概説・原典
 『神話学入門』神話?
東海大学出版会(東海選書)1980.12(原著1976)
グングニル
 М.И.Стеблин-Каменский : Миф. Ленинград, 《Наука》, 1976 の翻訳。著者カーメンスキイはソ連を代表する北欧学者(当時)。付録として菅原の訳による「スノッリ『エッダ』―「詩語法(スカールドスカパルマール)」抜粋」がつく。

フォルケ・ストレム著 ; 菅原邦城訳概説
 『古代北欧の宗教と神話』神話?
人文書院1982.10(原書1967)
レーヴァテイン, ブルートガング
 Folke Ström: Nordisk hedendom. Tro och sed i förkristen tid. Andra upplagan. Göteborg: Akademiförlaget, 1967. すなわち『北欧の異教―キリスト教以前の信仰と習慣』第二版の翻訳。第一版は1961年に出版された。

K.クロスリイ-ホランド著 ; 山室静, 米原まり子訳再話
 『北欧神話物語』神話
青土社新版1991.9(初版1983.10 ; 原著1980)
グングニル, レーヴァテイン
 Kevin Crossley-Holland, The Norse Myths, 1980 の全訳。K.クロスリイ-ホランドはイギリスの著名な詩人。旧版の表題は『北欧神話』。「はしがき」と巻末の「北欧神話ノート」は山室、本文は米原が担当。

菅原邦城著概説
 『北欧神話』神話
東京書籍1984.10
グングニル, ダーインスレイヴ, レーヴァテイン, グラム, テュルフィング
 目次 : はじめに/第一部 神々の登場/第二部 神々の物語/第三部 ラグナロク/参考書誌/北欧神話諸系図/北欧地名にみる主要三男神/写真・図版出典一覧/索引

大塚光子訳原典
 『アイスランド サガ スールの子ギースリの物語』伝説(ICE)
三省堂1987.8
グラーシーザ, グンロギ
 底本には、15世紀の皮写本 AM 556a 4to にもとづいて編まれた、『アイスランド古典文学集』 Íslenzk Fornrit 巻六 Vestfirðinga Sgur(西フィヨルドのサガ集)に収められている Gísla Saga Súrssonar を使用。冒頭に龜井孝による「はしがき」が付く。

大澤峯男, 櫻井春隆訳原典
 『ドイツ民衆本の世界Ⅱ ラーレ人物語 不死身のジークフリート』伝説(NIB)
国書刊行会1987.12
 大澤訳の「ラーレ人物語」と櫻井訳の「不死身のジークフリート」を収録。前者の底本は、主として Das Lalebuch (1597) mit den Abweichungen und Erweiterungen der Schildbürger (1598) und des Grillenvertreibers (1603). Hrsg. v. Karl von Bahder, Halle 1914. (Neudrecke deutscher Literaturwerke des 16. und 17. Jahrhunderts. Nr. 236-239.) 及びこれに準拠して校訂した Das Lalebuch. Hrsg. v. Stefan Ertz. Stuttgart 1970. (Reclam Universal-Bibliothek Nr. 6642-43)。後者は、W. GOLTHER: Das Lied vom Hürnen Seyfrid nach der Druckredaktion des 16. Jahrhunderts. Mit einem Anhange ,Das Volksbuch vom gehörnten Siegfried nach der ältesten Ausgabe (1726)‘ (NDL 81/82), Verlag von Max Niemeyer, 1911.(第二版)。

忍足欣四郎訳原典
 『中世イギリス英雄叙事詩 ベーオウルフ』伝説(BEO)
岩波書店(岩波文庫)1990.8
グングニル, フルンティング, ネイリング
 底本は、Fr. Klaeber, Beowulf and the Fight at Finnsburg, edited with Introduction, Bibliography, Notes, Glossary, and Appendices (Boston : D. C. Heath and Company, 1922 ; 3rd ed. with First and Second Supplements, 1950)。

ペーテル・ハルベリ ; 岡崎晋訳著概説
 『北欧の文学 古代・中世編』
鷹書房1990.9

日本アイスランド学会編訳原典
 『サガ選集』伝説(ICE他)
東海大学出版会1991.5
レーヴァテイン, "挽臼切り", "足広", フレイン
 底本は、「アイスランド人の書」は、Íslenzk fornrit I (Reukjavík, 1968)。「めんどりのソーリルのサガ」「蛇舌グンラウグのサガ」は、ともに Íslenzk fornrit III (Reukjavík, 1938)。「グリーンランド人のサガ」は、Íslenzk fornrit IV (Reukjavík, 1957)。「棒打たれのソルステインの話」は、Íslenzk fornrit XI (Reukjavík, 1950)。「ヴェストフィヨルド人アウズンの話」は、Íslenzk fornrit VI (Reukjavík, 1943)。「ハーコン善王のサガ」は、Íslenzk fornrit XXVI (Reukjavík, 1941)。「勇士殺しのアースムンドのサガ」は、Ferdinand Detter (ed.) Zwei fornaldarsögur. (Halle, 1891)。「司教パールのサガ」は、Guðni Jónsson, Byskupa sögur 1 (Reukjavík, 1953)を用い、Jón Helgason, Byskupa sögur 2. hæfte (København, 1978)も参照。訳・解説の担当は順に、中島和男、大塚光子、菅原邦城、谷口幸男、早野勝巳、清水育男、八亀五三男、西田郁子、阪西紀子。巻末に熊野聰による「用語解説」、菅原による「解説」がつく。

石川栄作著研究
 『『ニーベルンゲンの歌』―構成と内容―』伝説(NIB)
郁文堂1992.1
グラム
 「作品の成立」と「悲劇の構図」の二部構成。冒頭に「序章 ニーベルンゲン研究史と問題点」が、末尾にあとがき、資料・図式(主要登場人物名のカナ表記一覧など)、主要参考文献、索引が付く。

H.R.エリス・デイヴィッドソン著 ; 米原まり子, 一井知子訳概説
 『北欧神話』神話?
青土社1992.9
グングニル

サクソ・グラマティクス著 ; 谷口幸男訳原典
 『デンマーク人の事績』伝説
東海大学出版会1993.9
レヴィ, スニュルティル, ヘーキング, スクレープ, リュシング, フィティング, レグティ
 SAXONIS GESTA DANORUM (サクソのデンマーク人の事績)の翻訳。原著は全十六の書からなるが、序から第九の書までの神話と英雄時代を扱った部分を訳出。底本は、J.Olrik et H.Ræder 編 SAXONIS GESTA DANORUM (Copenhagen 1931)。

A.リヒター, G.ゲレス著 ; 市場泰男訳再話
 『ドイツ中世英雄物語III ディートリヒ・フォン・ベルン』伝説(DIE)
社会思想社(現代教養文庫1608)1997.5
ミームング, ナーゲルリング, エッケザックス
 Albert Richter und Guido Görres, Deutsche Heldensagen, Schmidt & Günther, Leipzig.の最後の1/3を訳出。ディートリヒ・フォン・ベルン(Dietrich von Bern)とその仲間たちを主人公とする九編の英雄叙事詩を収める。

ライナー・テッツナー著 ; 手嶋竹司訳再話
 『ゲルマン神話 上 神々の時代』神話
青土社1998.11
グングニル, ミームング, ナーゲルリング, ブルートガング, エッケザックス

ライナー・テッツナー著 ; 手嶋竹司訳再話
 『ゲルマン神話 下 英雄伝説』伝説(NIB・DIE他)
青土社1998.11
ミームング, ナーゲルリング, ブルートガング, エッケザックス

ドナルド・A・マッケンジー原著 ; 東浦義雄編訳再話
 『ゲルマン英雄伝説』伝説(NIB・DIE・BEO他)
東京書籍2002.5(原著1912)
ミームング, ナーゲルリング, ブルートガング, エッケザックス
 Donald A.Mackenzie, Teutonic Myth and Legend, Gresham Publishing Co. Ltd., 1912 中の英雄伝説に関する四篇を訳出したもの。四篇とは「ベーオウルフ奇談」「ニーベルンゲン物語」「ディートリッヒ伝説」「ハムレット原話」。「登場人物・事物索引」つき。

アクセル・オルリック著 ; 尾崎和彦訳研究・概説
 『北欧神話の世界 神々の死と復活』神話
青土社2003.11(原著1902)
オルナ, レーヴァテイン
 本論部分は、Axel Olrik : Om Ragnarok, i : Aaboger for Nordisk Oldkyndighed og Historie, 1902, pp.157-291 のデンマーク語原典からの全訳。補論「北欧神話について」は、オルリックの次の二論文の全訳。Eddamytologien, i : Nordisk Tidskrift, 1917, S.91-3, Nordboernes Ragnarok, i : ibid, 1902, S.363-78. 訳者解説、訳者あとがき、索引つき。著者Axel Olrik(1864-1917)は、デンマークの民俗学者・神話学者・文学史家、コペンハーゲン大学北欧民俗学・古代デンマーク文学教授。

森信嘉訳原典
 『スカルド詩人のサガ コルマクのサガ/ハルフレズのサガ』伝説(ICE)
東海大学出版会(東海大学文学部叢書)2005.9
レーヴァテイン, スクリーミル, ヴィーティング, スコプヌング, ヴィグ
 「コルマクのサガ」(Kormárs saga)及び「ハルフレズのサガ」(Hallfreðar saga)の邦訳。両者とも定本は、エイナル・オウラヴル・スヴェイソン編「アイスランド古典叢書、第八巻」(Einar Ól. Sveinsson, ed. Vatnsdœla saga. Íslenzk Fornrit. VIII. Bindi, Reykjavík: Hið Íslenzka Fornritafélag, 1939.)所収のテキスト。二編の邦訳に続いて、「初期アイスランド文学概説」、「付録(サガ登場人物の系図、関連地図、サガ関連年表)」、「訳者あとがき」が付く。

武田龍夫著概説・再話
 『バイキングと北欧神話』神話
明石書店2005.12
グングニル
 「第1部 バイキングの活躍―西欧への衝撃」「第2部 バイキングの神々―北欧神話の世界」の二部構成。末尾に北欧神話関連注釈、あとがき、参考文献がつく。著者は元外務省北欧担当官、東海大学教授(北欧政治・外交及び北欧社会研究)。


B. 邦語論文

長谷川寛原典・研究
 「アングロサクソン抒情詩「デーオルの嘆き」について」伝説
『日本大学農獣医学部一般教養研究紀要』第2号, p.35-431966
 エクセタ写本(Exeter Book)の fol. 100a-100b に記録されているアングロサクソン詩 Deor の原文とその邦訳を示した上で、内容や作者、作成年代について考察している。詩には鍛冶ウェーランドの伝説など、複数の英雄伝説からの引用が見られる。

長谷川寛研究
 「アングロサクソン英雄叙事詩「モールドンの戦」について」伝説
『日本大学農獣医学部一般教養研究紀要』第3号, p.34-411967
 「1.1731年に焼失した写本」「2.Elphiston の写しと Hearne の刊本」「3.モールドンの戦い」「4.本詩の構成と技巧」の4部構成で、アングロサクソン叙事詩 The Battle of Maldon について紹介する。

長谷川寛原典
 「アングロサクソン英雄叙事詩「モールドンの戦」―付・訳注,固有名詞略解及び索引―」伝説
『日本大学農獣医学部一般教養研究紀要』第4号, p.49-601968
グングニル
 前号の研究紀要で紹介されたアングロサクソン叙事詩 The Battle of Maldon (MS. Rawlinson B 203)の原文及び全訳。註解、固有名詞略解及び索引付き。

長谷川寛研究
 「サトン・フーと「べーオウルフ」」伝説(BEO)
『日本大学農獣医学部一般教養研究紀要』第9号, p.36-461973
グングニル
 筆者による「ベーオウルフ」武器用語一覧表つき。テクストには、E. V. K. Dobbie, Beowulf and Judith. The Anglo-Saxon Poetic Records IV (New York, 1965) を使用。

菅原邦城訳注原典
 「ソルリの話とヘジンとホグニのサガ」神話・伝説
『大阪外国語大学学報』41, p.111-1301978.2
ダーインスレイヴ
 底本不明。ただし、参考文献に挙がる Fornaldar sögur Norðurlanda I-IV. Guðni Jónsson bjó til prentunar. Akureyri 1954. ―Endurprent. 1976. は、Sörla saga sterka を含む。 付録として「スノッリ「詩語法」抜粋」、「固有名詞索引・略解」がつく。

谷口幸男原典
 「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」神話・伝説
『広島大学文学部紀要』43特輯号3, p.1-1211983.12
グングニル, ダーインスレイヴ, グラム, リジル, フロッティ, レヴィ, スニュルティル, ヘーキング
 13世紀アイスランドのスノリ・ストルルソン(1178-1241)の『エッダ』、ふつう『スノリのエッダ』または『散文エッダ』と呼ばれているものの第二部「詩語法」の邦訳。底本には G.Jónsson 編 Edda Snorra Sturlusonar Akureyri 1954 を使用。

菅原邦城試訳原典
 「アイスランド古譚『ノルナ=ゲストの話』」伝説(NIB)
『世界口承文芸研究』第8号, p.363-3971987.3
グラム, リジル
 底本への言及はないが、テキストとして、Norna-Gests þattr, in : Guðni Jónsson ed. Fornaldar sögur Norðurlanda, Reykjavík 1954 (reprint 1976), pp. 305-335. Nornagests ríma, in : V.U.Hammarshaimb ed. Færöske kvæder I, Kjøbenhavn 1851 (reprint 1969), pp. 71-73. Sophus Bugge ed. Norræn Fornkvæði, Christiania 1867. を挙げる。

石川光庸原典・研究
 「シーズレクのサガ 八四〜一三六章 ヴェーレントの物語(その一)」伝説
『ドイツ文学研究』報告32, p.96-1201987.3
ミームング, ナーゲルリング, ブルートガング
 『シーズレクのサガ』 Þiðriks saga 84〜111章の試訳及び注釈。底本には、Henrik Bertelsen, Þiðriks Saga af Bern, SUGNL 34, København 1905-11 を使用。『ドイツ文学研究』は、京都大学教養部ドイツ語研究室の刊行。

石川光庸原典・研究
 「シーズレクのサガ 八四〜一三六章 ヴェーレントの物語(その二)」伝説
『ドイツ文学研究』報告35, p.1-251990.3
 『シーズレクのサガ』 Þiðriks saga 112〜136章の試訳及び注釈。冒頭に「(その一)に対する補注」が、末尾に<まとめ>がつく。挿画は Annemarie Naegelsbach の木版画で、Wieland der Schmied, Neudichtung von Otto Hauser, Weimar 1926 から採用。

寺田龍男研究
 「Alphart は二度死ぬ―„Buch von Bern“におけるある矛盾について―」伝説(DIE)
『小樽商科大学 人文研究』第76輯, p.75-1061988.8
ナーゲルリング
 目次 : I 問題提起/II Alphart の人物像―同名異人か?/III 同一人物が二度死ぬという矛盾の研究/IV Alphart の死の分析/参考文献

寺田龍男研究
 「火を吹くディートリヒ―ディートリヒ・フォン・ベルン研究序説―」伝説(DIE)
『ノルデン』29号, p.1-231992.11
ナーゲルリング, デュランダル, オートクレール
 1992年4月21日に北海道大学言語文化部の研究会「メルジーネ」で発表した際の草稿に加筆したもの。収録雑誌は「Norden」刊行会の発行、発行所は北海道大学言語文化部独語系研究室。

寺田龍男訳原典・研究
 「翻訳と解説 アルブレヒト・フォン・ケメナーテン:『ゴルデマール』」伝説(DIE)
『ノルデン』30号, p.69-791993.11
ナーゲルリング
 底本は、Deutsches Heldenbuch. 5. Teil. Dietrichs Abenteruer von Albrecht von Kemenaten nebst den Bruchstücken von Dietrich und Wenezlan. Hrsg. von Julius Zupitza. Berlin 1870. S. 203-204.

寺田龍男原典・研究
 「『ズィゲノート』―翻訳と論説―」伝説(DIE)
『言語文化部紀要』28, p.275-3061995.11
ナーゲルリング
 底本は、Deutsches Heldenbuch. 5. Teil. Dietrichs Abenteuer von Albrecht von Kemenaten nebst den Bruchstücken von Dietrich und Wenezlan. Hrsg. von Julius Zupitza. Berlin 1870. S. 206-215. 収録雑誌『言語文化部紀要』は、北海道大学の発行。

石川栄作訳原典
 「韻文『不死身のザイフリート』」伝説(NIB)
『九州ドイツ文学』第11号, p.26-461997.11
 16世紀の韻文『不死身のザイフリート』の邦訳。底本には、Wolfgang Golther (Hrsg.):Das Lied vom Hürnen Seyfrid nach der Druckredaktion des 16. Jahrhunderts. Zweite Auflage. Halle a. S. Verlag von Max Niemeyer. 1911. を使用。

石川栄作訳原典
 「民衆本『不死身のジークフリート』」伝説(NIB)
『九州ドイツ文学』第12号, p.1-331998.11
 民衆本『不死身のジークフリート』(1726年版)の全訳。底本には、Wolfgang Golther (Hrsg.):Das Lied vom Hürnen Seyfrid nach der Druckredaktion des 16. Jahrhunderts. Zweite Auflage. Halle a. S. Verlag von Max Niemeyer. 1911 に付録として掲載されている Das Volksbuch vom gehörnten Siegfried nach der ältesten Ausgabe(1726)を使用。

山崎陽子原典
 「翻訳『シズレクス・サガ』におけるニーベルンゲン伝説Ⅰ―シグルズをめぐる物語―」伝説(NIB)
『目白大学人文学部紀要 言語文化篇』第5号, p.57-711999.1
グラム
 『シズレクス・サガ』の部分訳。訳出箇所は「シグムンド王、ニーズング王の娘シシベに求婚する」から「シグルズ、ブリュンヒルドに会い、グラーニを贈られる」までのシグルズの生い立ち部分。底本は、Þiðreks saga af Bern, Íslendingasagnaútgáfan 1961 Reykjavík。冒頭に解題が、末尾には解説が付され、解説ではその後のストーリーの展開について概観している。

山崎陽子原典
 「翻訳『シズレクス・サガ』におけるニーベルンゲン伝説Ⅱ」伝説(NIB)
『目白大学人文学部紀要 言語文化篇』第6号, p.45-552000.1
グラム
 『シズレクス・サガ』の部分訳。訳出箇所は「シズレク王、ニフルング族を宴に招待する」から「グリムヒルド、シグルズの亡骸を埋葬する」までだが、途中にも省略部分があるか(章番号などが明示されないため詳細未詳)。末尾に解説が付く。

山崎陽子原典
 「翻訳『シズレクス・サガ』におけるニーベルンゲン伝説Ⅲ―グリムヒルドの復讐Ⅰ―」伝説(NIB)
『目白大学人文学部紀要 言語文化篇』第7号, p.29-412001.1
グラム
 『シズレクス・サガ』の部分訳。訳出箇所は「アッチラ王、グリムヒルドに求婚する」から「アッチラ王、ニフルング族を招待する」「ニフルング族、アッチラの国にやってくる」を経て「ニフルング族、町を歩く」まで。

山崎陽子原典
 「翻訳『シズレクス・サガ』におけるニーベルンゲン伝説Ⅳ―グリムヒルドの復讐Ⅱ―」伝説(NIB)
『目白大学人文学部紀要 言語文化篇』第8号, p.31-432002.1
グラム, ラーグルフ
 『シズレクス・サガ』の部分訳。訳出箇所は「グリムヒルド、助太刀を頼む」から「グリムヒルド、戦いの火蓋をきる」「シズレク王、グリムヒルドを殺す」を経て「物語の源流」まで。末尾に訳者による「終わりに」が付く。

渡邊徳明研究
 「英雄叙事詩『ヴォルムスの薔薇園』研究の歴史と動向
  ―テキストの成立と伝承における創作意志をめぐって―」
伝説(DIE)
『研究年報』XVI, p.1-221999.3
ナーゲルリング
 収録雑誌『研究年報』は、慶應義塾大学独文学研究室『研究年報』刊行会の編集・発行。目次 : 0. はじめに/1. テキスト・ヴァージョンの分類/2. Rg.テキスト研究/3. 作者の役割の重視/4. 多元論的成立観/5. 超個人的主体による多層的伝承―結びにかえて―

有泉泰男研究
 「ディートリッヒ叙事詩:『ラウリーン』―作品の内容と構成について―(異文1を中心に)」伝説(DIE)
『研究紀要』第58号, p.(73)-(87)1999.10
ナーゲルリング
 収録雑誌『研究紀要』は、日本大学文理学部人文科学研究所の発行。目次 : 1 ディートリッヒ叙事詩(Dietrichepik)/2 『ラウリーン』(Laurin)/参考文献

石川栄作訳原典
 「ハンス・ザックスの悲劇『不死身のゾイフリート』」伝説(NIB)
『九州ドイツ文学』第13号, p.1-331999.11
 ハンス・ザックス(1494-1576)の悲劇『不死身のゾイフリート』の全訳。底本には、Hans Sachs: Der hürnen Seufrid. Tragoedie in sieben Acten. Halle a/S. Max Niemeyer 1880. を使用。収録雑誌は、九州大学独文学会の編集・発行。

有泉泰男研究
 「アルプハルトの死」伝説(DIE)
『研究紀要』第60号, p.(51)-(65)2000.9
ナーゲルリング
 収録雑誌『研究紀要』は、日本大学文理学部人文科学研究所の発行。目次 : 1. 「ディートリヒ叙事詩」の分類/2. 写本およびテキストに関して/3. 「アルプハルトの死」の内容/4. 「アルプハルトの死」に関するこれまでの解釈/5. 「アルプハルトの死」の解釈の試み

谷口幸男原典
 「スノッリ・ストゥルルソン『エッダ』「序文」と「ハッタタル(韻律一覧)」訳注(1)〜(3)」神話・伝説
国際学論集』第13巻 第1号, p.203-2302002.6同第13巻 第2号, p.125-1542002.12
同第14巻 第1号, p.99-1302003.6
 翻訳の底本には、G. Jónsson 編 Edda Snorra Sturlusonar. Akureyri 1954 を使用。(1)冒頭にまえがき、(3)末尾にあとがき、参考文献が付く。収録雑誌『国際学論集』は、大阪学院大学国際学学会編集・発行。

渡辺秀樹研究
 「古英詩『ベーオウルフ』の日本語訳―1990年代出版の5種の訳文・注釈の比較―」伝説(BEO)
『言語文化研究』29, p.435-4542003.2
 収録雑誌は、大阪大学言語文化部・大阪大学大学院言語文化研究科編集発行。目次 : 1 序/2 忍足評論(1993)における翻訳論/3 1990年以降出版の『ベーオウルフ』日本語訳と校訂本/4 長谷川訳(長谷川寛訳『ベーオウルフ怪物破壊魔(ルビ:グレンデル)退治の巻(1)』(成美堂, 1990), 『日本大学農獣医学部一般教養研究紀要』23, 28, 29, 30, 32(1987-1996):引用者注・以下同じ)/5 小川訳(小川和彦訳『ベーオウルフ』(武蔵野書房, 1993))/6 苅部訳(苅部恒徳訳「対訳『ベーオウルフ』」『新潟大学教養部研究紀要』20, 21, 22, 24(1989-1993))/7 山口訳(山口秀夫訳『古英詩ベーオウルフ』(泉屋書店, 1995)/8 藤原訳(藤原保明訳「古英詩『ベーオウルフ』」『筑波英学展望』14, 15, 『言語文化論集』41,42(1995-1996))/9 訳文比較/10 まとめ/参考文献

渡邊徳明研究
 「ヴィルヘルム・グリムの『ヴォルムスの薔薇園』研究―ニーベルンゲン伝説のメルヘン化?―」伝説(NIB・DIE)
『研究年報』XX, p.351-3752003.3
 収録雑誌『研究年報』は、慶應義塾大学独文学研究室『研究年報』刊行会の編集・発行。目次 : 0.序/1.ヴィルヘルム・グリムによる『ヴォルムスの薔薇園』研究の位置付け/2.『ニーベルンゲンの歌』は誰がつくったのか?/3.『ニーベルンゲンの歌』と『ヴォルムスの薔薇園』との違い/4.叙事的な力の衰退とイデーの役割/6.文献学―批評術/7.ニーベルンゲン伝説のメルヘン化(結びにかえて)

水野知昭研究
 「殺しの武器を供与する賢者たちの群像」神話・伝説(NIB・BEO)
『アジア遊学』No.68(特集 英雄を支えた賢者たち), p.93-1062004.10
グラム, フロッティ
 「知恵者」ロキが「力の戦士」ホズに武器を手渡し、バルドル殺害を唆している。勇者シグルズによる竜ファーヴニル退治、スカタルズによるヴィーカル王殺し、そしてベーオウルフによる女怪退治などの一連の北欧諸伝説にも類似の構造が認められた。異人的な勇者の傍らに控える賢者はオージンの神威を帯び、「武器供与」と「殺害の教唆」という役柄を兼ね備えている。(冒頭の梗概より引用)

石川栄作, 野内清香原典・研究
 「『ティードレクス・サガ』における英雄シグルトの物語」伝説(NIB)
『言語文化研究 徳島大学総合科学部』第12巻, p.29-632005.2
グラム
 「I.『ティードレクス・サガ』の成立」「II.『ティードレクス・サガ』における若きシグルトの冒険」「III.『ティードレクス・サガ』における二組の結婚」「IV.『ティードレクス・サガ』におけるジグルトの暗殺」「V.『ティードレクス・サガ』におけるジグルト像の特質」の5章立てで最後に「結び」がつく。うち「II」「III」「IV」は、『ティードレクス・サガ』の部分邦訳。底本は、フィーネ・エリヒセンの現代ドイツ語訳(Fine Erichsen: Die Geschichte Thidreks von Bern. (Thule 22.Band) Eugen Diederichs Jena 1924, 「II」はp.210-222, 「III」はp.266-269, 「IV」はp.371-377)。訳出に当たっては山崎陽子訳(1999-2002)を参照。分担は、まず野内が訳し、石川がそれに加筆修正している。

野内清香, 石川栄作原典・研究
 「『ティードレクス・サガ』におけるグリームヒルトの復讐」伝説(NIB)
『言語文化研究 徳島大学総合科学部』第13巻, p.19-582005.12
グラム, ラーグルフ
 「I.『ティードレクス・サガ』におけるグリームヒルトの復讐」「II.『ティードレクス・サガ』におけるグリームヒルトの復讐の特質」の2章立てで、冒頭に「序」がつく。うち「I」は、『ティードレクス・サガ』の部分邦訳。底本は前稿と同様、フィーネ・エリヒセンの現代ドイツ語訳(1924)で、山崎陽子訳(1999-2002)も参照。分担も前稿と同じ。カナ表記はエリヒセンに基づくドイツ語読みに従っているという。

テリー・グンネル ; 伊藤盡訳研究
 「エッダ詩(特集・北欧神話の世界)」神話・伝説
『ユリイカ』第39巻第12号, p.121-1372007.10(原著2005)
レーヴァテイン, グラム, リジル, フロッティ
 Terry Gunnell. ‘Eddic Poetry,’ in Rory McTurk, ed. 2005. A Companion to Old Norse-Icelandic Literature and Culture. Oxford: Blackwell, pp.82-100. の邦訳。


C. 外国語図書

Donald A. Mackenzie再話
 Teutonic Myth & Legend神話・伝説
Gresham Publishing Co. Ltd.1912
ミームング, ナーゲルリング, ブルートガング, エッケザックス

Rudolf Simek 著 ; Angela Hall 訳事典
 Dictionary of Northern Mythology神話・伝説
D.S.Brewer1993(原著1984)
グングニル
 First published 1984 as Lexikon der germanischen Mythologie by Alfred Kröner Verlag, Stuttgart. English translation first published 1993 by D. S. Brewer, Cambridge.


内容 略号一覧
NIB : ニーベルンゲン伝説, DIE : ディートリヒ伝説, BEO : ベーオウルフ関連, ICE : アイスランド人のサガ

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2006/05/04:初版
2008/12/24:最終加筆
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