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〜アーサー王伝説関連文学・資料年表〜

《第2展示室:おまけキャプション3》

アーサー王伝説に関連のある様々な文学作品・年代記・美術品等々を年表にまとめてみた。例の如く、自分のための整理用ページである。マーリンに関するもの、聖杯伝説、トリスタンものなどなど、すべてごた混ぜにしてある。ベースにしたのは、リチャード・バーバーの『アーサー王 その歴史と伝説』(1983訳)所収「アーサー王文学年表」だが、扱う範囲はスペンサーの『妖精女王』が書かれた16世紀末までとした。ただし、関連する諸文献により大幅に増広したため、項目数自体はバーバーの年表よりも増えている※1。また、書かれた言語、及び韻文・散文の別は、記号の色・形によって示したので、下記を参照されたい。
   文献によって異同のある各作品の邦題や登場人物のカナ表記、成立年代については、なるべく専門性の高い文献、刊行年の新しい文献を参照したが、恣意的に改変したものもあり、あまり厳密ではない※2。そもそも、各項目毎の正確さは、参考文献の多寡によって、かなりのばらつきがあると思われるので、すべて参考程度に考えていただきたい。利用した参考文献は、すべてページ末尾に記載したが、あまりに多くなったこともあり、一部の項目にしか利用していないもの、本サイトの他ページで使う可能性の低いものは、「図書室」の方には記載しなかった。なお、ご覧の通り、完成にはほど遠い状態なのだが、これも例の如く、満足のいく出来になるまで待っているといつまで経っても公開できないので、今後の改訂を前提に仮公開。

:英語 :オランダ語 :ドイツ語 :ウェールズ語 :フランス語 :ラテン語 :イタリア語 :その他
▼:韻文 ●:散文 ■:不明・その他


年代作者・作品名備考
550頃ギルダス 『ブリタニアの破壊と征服』
 Gildas, De Excidio et Conquestu Britanniae
ブリテン島の修道士による当時のケルト貴族糾弾の書。バゾンの戦いに言及するが、アーサーは登場しない。
700頃アダウナーン 『コルンバ伝』
 Adomnán, Vita Columbae
聖人コルム・キレの伝記。ダルリアダの王エイダンの子として「アーサー」の名を持つ人物が登場。
800頃ネンニウス 『ブリトン人の歴史』
 Nennius, Historia Britonum
ブリタニアの歴史書。軍事指導者アーサーによるサクソン人征服者に対する12の戦いとその勝利に言及。
800-900頃『ゴドディン』
 Y Gododdin
『アネイリンの書』所収の英雄詩。優れた武勇の喩えにアーサーの名が登場。600年頃の成立とする説もある。
800-900頃『セワルフ・ヘンの歌』※3
 Canu Llywarch Hen
ウリエンの息子オウァインが、「レゲドのオウァイン」として再三登場する。セワルフ・ヘンは伝説中の詩人で、ウリエンの従兄弟。
??『キンズィランの死を弔う歌
 Marwnad Cynddylan
ウェールズに残された作者不詳の古詩。「頑強なアーサーの同胞よ」という呼びかけを含む。
800-1000頃『墓の詩』
 Englynion y Beddeu
英雄たちの墓地について語る詩群。アーサーの墓については謎とする。『カイルヴァルジンの黒書』に73篇が収録される。
800-1100頃『ゲライントの詩』
 Englynion Gereint
エルビンの息子ゲライントに関する27詩節からなる詩。ゲライント王の同時代人としてアーサー王が登場。
900-1000頃『アンヌウヴンの略奪』
 Preiddeu Annwfn
『タリエシンの書』所収。アーサーとその仲間たちが魔法の大釜を奪いに異界へ赴くという冒険譚。
900-1100頃『門番は何者か』
 Pa ŵr yw'r porthor?
アーサー王と門番グレウルイド・ガヴァイルグァウルとの対話。『カイルヴァルジンの黒書』に不完全な形で残る。
930頃『ブリタニアの予言』
 Arymes Prydein Vawr
ウェールズ人のもとに伝説的英雄カドウァラデルとキナンが再来、サクソンからの解放の近いことが歌われる。
1019『聖ゴエズノヴィウスの伝説』
 Legenda Goeznovii
ブルターニュの聖人グエズヌの聖者伝。その序文に「偉大なアーサー」への言及がある。
1075頃リフリック 『カドクス伝』
 Lifric, Vita Cadoci
ウェールズで書かれた聖者伝。アーサー王は好色で貪欲な人物として描かれ、カドクスの起こす奇蹟によって悔い改める。
1100頃『カンブリア年代記』
 Annales Cambriae
ウェールズの年代記集成。バゾンの戦いにおけるアーサーの活躍、カムランの戦いでのアーサーの死に言及。
1100頃『カラントクス伝』
 Vita Carantoci
ウェールズで書かれた聖者伝。アーサー王は王国を荒らす大蛇を退治するためカラントクスの力を借り、彼の祭壇を返す。
1100-1125頃『パテルヌス伝』
 Vita Paterni
聖者伝。アーサーはパテルヌスの上衣を力ずくで奪おうとするが、聖者の祈りにより大地が裂けて首まで飲み込まれる。
1100-1150頃『キルッフとオルウェン』
 Culhwch ac Olwen
中世ウェールズの散文物語集『マビノギオン』第七話。アルスルの剣カレトヴルッフが登場。
1100-1200頃『エフラム伝』
 Vita Efflam
アーサーは付近を荒らす大蛇と戦い疲れ果てるが、聖エフラムの祈りによって大蛇は従順になり救われる。
1120-1140頃イタリア・モデナ大聖堂の浮彫彫刻
 Modena sculpture
アーサー、グウィネヴィア、ガウェインらの浮彫。アーサー王伝説の口承による広範な伝播を示唆。
1125頃ウィリアム・オヴ・マームズベリ 『イングランド諸王の事績』
 William of Malmesbury, Gesta Regum Anglorum
449年から1120年代までを扱った歴史書。その第三の書は、アーサー王の不死・帰還伝説の傍証としてしばしば引用される。
1130頃カラドック・オヴ・ランカルヴァン 『ギルダス伝』
 Caradoc of Llancarfan, Vita Gildae
アーサー王によるギルダスの兄フエイルの殺害や、常夏の国の王メルヴァスによる王妃グウェンフウィファル誘拐の挿話が載る。
1130ジェフリー・オヴ・モンマス 『メルリヌスの予言』
 Geoffrey of Monmouth, Prophetia Merlini
『ブリトン人の歴史』中の少年予言者アンブロシウスの記事を借用して創作。後に『ブリタニア列王史』第7巻に編入された。
1133頃-1154ヘンリー・オヴ・ハンティンドン 『イングランド人の歴史』
 Henry of Huntingdon, Historia Anglorum
1136頃ジェフリー・オヴ・モンマス 『ブリタニア列王史』
 Geoffrey of Monmouth, Historia Regum Britannie
7世紀までのブリタニアの歴史を描いた歴史物語。その三分の一をアーサーの生涯が占める。
1149頃アイルレッド・オブ・ビヴァリー 『年代記』
 Ailred of Beverley, Annales
『列王史』を引用した最初の年代記。ブリタニア以外の国の歴史家がアーサー王に言及しないことに疑問を投げかける。
1150頃『アルスルとエリィルの対話
 Ymddidan Arthur a'r Eryr
宗教詩。アルスルは半異教的なコーンウォールの軍団長として登場、終始「神と対決する者」として描かれる。
1150頃『原トリスタン』
 Ur-Tristan
後のトリスタン物語の原拠として想定されたものだが、近年その存在は疑問視されている。無論現存しない。
1150ジェフリー・オヴ・モンマス 『メルリヌスの生涯』
 Geoffrey of Monmouth, Vita Merlini
予言者メルリヌスの生涯を描く。デメティアの国王メルリヌスは、味方の悲惨な戦死によって発狂、林中に隠遁する。
1150-1200頃ロベール・ビケ 『角盃の歌』
 Robert Bicket, Le Lai du Cor
580行の短詩(レー)。アーサー王の宮廷での貞節さのテストという、『使者とマント』と同じ主題を扱った最も早い作品。
1155頃ワース 『ブリュ物語』
 Wace, Roman de Brut
ジェフリーの『ブリタニア列王史』のアングロノルマン語韻文訳。円卓が初めて登場。
1160-1180頃マリ・ド・フランス 『すいかずら』
 Marie de France, Chèvrefeuille
十二篇の短詩(レー)のうちの一篇。トリスタン物語だが、そこで語られる挿話は他書には見られないもの。
1160-1180頃マリ・ド・フランス 『ランヴァル』
 Marie de France, Lanval
ブルトン語の歌謡を元に書かれた、十二篇の短詩(レー)のうちの一篇。主人公ランヴァルはアーサー王の家臣。
1165頃イタリア・オトラント大聖堂のモザイク画
 Otranto mosaic
王冠を戴き杖を手にして山羊に跨ったアーサー王を描く。物語作品には見られないフォークロアの伝承を保存。
1169頃エティエンヌ・ド・ルーアン 『ノルマンの竜』
 Etiénne de Rouen, Draco Normannicus
韻文の年代記。1167年、ヘンリ二世のブルターニュ討伐に抗して戦ったローラン・ド・ディナンがアーサー王に援軍を求める。
1170頃クレチアン・ド・トロワ 『エレックとエニッド』
 Chrétien de Troyes, Erec et Enide
北仏で活躍した詩人クレチアンの現存第一作。主人公は円卓の騎士エレックで、エニッドはその妻。
1170-1175頃トマ 『トリスタン物語』
 Thomas, Roman de Tristan
八つの断片にのみ現存する騎士道物語本系のトリスタン物語。成立を1150年代とする説もあるらしい。
1170-1185頃ベルール 『トリスタン物語』
 Béroul, Roman de Tristan
断片のみ現存する流布本系のトリスタン物語。記述内容の矛盾や語彙・文体の変化から作者を複数とする説あり。
1170-1190頃アイルハルト・フォン・オーベルゲ 『トリストラント』
 Eilhart von Oberge, Tristrant
流布本系のトリスタン物語。オリジナルは三つの断片しか残らないが、13世紀の改作から全貌を知ることが出来る。
1175-1200頃『ロナブイの夢』
 Breudwyt Ronabwy
『マビノギオン』第八話。ロナブイの見る夢の中にアルスルやオウァインが登場。
1175-1200頃『ウェールズの王メリアドックの物語』
 Historia Meriadoci Regis Cambrie
ケイの養子であるウェールズ王子メリアドックの冒険を描いた物語。成立年代については、13世紀後期との説もある。
1175-1200頃『アルトリウスの甥ワルウアニの栄達』
 De Ortu Waluuanii nepotis Arturi
ワウルアニの誕生からアーサーのもとに来るまでを描いた物語。『メリアドックの物語』と同じ作者によって書かれたらしい。
1176頃以前クレチアン・ド・トロワ 『マルク王と金髪のイズー』
 Chrétien de Troyes, Del roi Marc et d'Ysalt la blonde
おそらくクレチアンが『クリジェス』以前に書き上げたトリスタン物語。『クリジェス』冒頭に言及されるが、散逸して現存しない。
1176頃クレチアン・ド・トロワ 『クリジェス』
 Chrétien de Troyes, Cligès
主人公クリジェスはコンスタンチノープル王の息子アレクサンドルとゴーヴァンの妹ソルダモールの子。
1177頃以前ラ・シエーヴル 『トリスタン』
 La chievere, Tristan
『狐物語』第二枝編(1174-1177頃)冒頭で言及されているが、散逸して現存しない。
1177-1181頃クレチアン・ド・トロワ 『ランスロまたは荷車の騎士』
 Chrétien de Troyes, Lancelot ou Le chevalier de la charette
シャンパーニュ伯夫人マリの依頼に応じて書かれたが、クレチアンは結末を描かず、ゴドフロワ・ド・ラニィの手に委ねている。
1177-1181頃クレチアン・ド・トロワ 『イヴァンまたは獅子の騎士』
 Chrétien de Troyes, Yvain ou Le chevalier au lion
主人公は円卓の騎士イヴァン。クレチアンは『ランスロ』を書くため、『イヴァン』を書くのを一旦中断したらしい。
1182-1183頃クレチアン・ド・トロワ 『ペルスヴァルまたは聖杯の物語』
 Chrétien de Troyes, Perceval ou Le conte de graal
クレチアンの遺作で未完。初めて聖杯(グラアル)が登場し、後の「聖杯物語群」の出発点となる。
1185頃ハルトマン・フォン・アウエ 『エーレク』
 Hartmann von Aue, Erec
クレチアンの『エレックとエニッド』の翻訳だが、多くの個所で原本を逸脱している。ドイツにおけるアーサー王物語の嚆矢。
1190頃ラヤモン 『ブルート』
 Layamon, Brut
ワースの『ブリュ物語』とベーダの『英国教会史』を主な素材とする、英語で書かれた最初のアーサー王物語。
1190-1204頃『ペルスヴァル第一続篇』
  Première Continuation de Perceval
クレチアンの『ペルスヴァル』第一続篇。主人公はゴーヴァンで、「ゴーヴァン続篇」とも呼ばれる。作者は不詳。
1190-1205頃ルノー・ド・ボジュー 『名無しの美丈夫』
 Renart de Beaujeu, Le Bel Inconnu
両親も自分の名も知らぬ若い騎士の冒険物語。途中で明かされるその名はガングランで、父はゴーヴァン卿。※4
1191ギラルドゥス・カンブレンシス 『ウェールズ旅行記』
 Giraldus Cambrensis, Itinerarium Kambriae
1188年にウェールズを旅した記録。「メルリヌス・アンブロシウス」と「メルリヌス・ケリドニウス」、二人のマーリンが登場。
1196-1198頃ウィリアム・オヴ・ニューバラ 『イングランド史』
 William of Newburgh, Historia Rerum Anglicarum
ノルマン征服以降を扱う年代記。『列王史』を徹底的に批判。ジェフリーの語るアーサーとマーリンをブリトン人の創作と断じた。
1200頃『トリスタン佯狂』(ベルン本)
 Folie Tristan de Berne
流布本系のトリスタン物語。写本はベルン図書館所蔵。
1200頃『トリスタン佯狂』(オクスフォード本)
 Folie Tristan d'Oxford
騎士道物語本系のトリスタン物語。写本はオクスフォードのボドリアン図書館所蔵。
1200頃『ジョフレ』
 Jaufré
プロヴァンス語で書かれた現存唯一のアーサー王物語。主人公ジョフレは、ジルフレと同一人物らしい。
1200頃『ウリエンの息子オウァインの物語, あるいは泉の貴婦人』
 Owein uab Uryen, or Iarlles y Ffynnawn
『マビノギオン』第九話。クレチアンの『イヴァン』に対応するが、その関係は明確ではない。
1200頃『エヴラウクの息子ペレドゥルの物語』
 Historia Peredur vab Efrawc
『マビノギオン』第十話。クレチアンの『ペスルヴァル』に対応するが、その関係は明確ではない。
1200頃『エルビンの息子ゲライントの物語』
 Geraint fab Erbin
『マビノギオン』第十一話。クレチアンの『エレックとエニッド』に対応するが、その関係は明確ではない。
1200頃ハルトマン・フォン・アウエ 『イーヴェイン』
 Hartmann von Aue, Iwein
クレチアンの『イヴァン』の中高ドイツ語による翻案作品。およそ8200行からなる(『イヴァン』はおよそ6800行)。
1200頃ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ 『パルチヴァール』
 Wolfram von Eschenbach, Perzival
ドイツ語で初めて聖杯伝説を扱った作品。その主要な原典はクレチアンの『ペルスヴァル』。
1200頃グーンラオグ 『メルリヌスパ』
 Gunnlaugr Leifsson, Merlínússpá
アイスランドの修道士グーンラオグによってアイスランド語韻文に翻訳増補されたジェフリーの『メルリヌスの予言』。
1200頃ロベール・ド・ボロン 『聖杯由来の物語』
 Robert de Boron, Roman de l'Estoire dou Graal
『アリマタヤのヨセフ』とも。聖杯が最後の晩餐に用いられ、十字架上のイエスの血を受けた器とされる。後に散文化?※5
1200-1210頃ロベール・ド・ボロン 『メルラン』
 Robert de Boron, Merlin
韻文は502行しか現存せず、後に散文化されたものが伝存。メルランの誕生からアーサー王の即位までを描く。
1200-1210頃ロベール・ド・ボロン? 『ペルスヴァル』
 Robert de Boron ?, Perceval
『ディド・ペルスヴァル』の原拠として想定されているが、現存せず、作者にも異論があるらしい。
1200-1225頃『ティオレ』
 Lai de Tyolet
作者不詳の短詩。騎士ティオレは、ローグル王の姫君のために獅子の護るある牡鹿の白い足を手に入れ、彼女と結婚する。
1200-1225頃『ゴーヴァンの幼年時代』
 Les Enfances Gauvain
二葉の断片しか伝存しない。アーサーの妹メルカデスと従者ロットとの子ゴーヴァンの生い立ち、及び幼年時代の物語。
1200-1225頃『グリグロワ』
 Gliglois
ゴーヴァンとその近習グリグロワが、ともにボテという乙女に恋をする物語。ボテはグリグロワを選び、二人は結婚する。
1200-1225頃『ペルセヴァール』
 Perchevael
クレチアンの『ペルスヴァルまたは聖杯の物語』の忠実な中オランダ語訳。
1200-1225頃『ブレタ・ソグール』
 Breta sǫgur
ジェフリーの『ブリタニア列王史』の古ノルド語による翻訳翻案。ベルゲンで書かれたものと考えられている。
1200-1233頃ギヨーム・ル・クレール 『フェルギュス』
 Guillaume le Clerc, Fergus
若き羊飼いだったフェルギュスが騎士となって武勇を重ね、麗しのガリエンヌを妻に迎える物語。シャンティイ472番写本に伝存。
1200-1240頃『ペルレスヴォー』
 Perlesvaus
ゴーヴァン、ランスロ、ペルスヴァルが聖杯探索に挑み、ペルスヴァルのみがこれに成功する。
1200-1250頃『ブリオカドランのプロローグ』
 Le Prologue de Bliocadran
クレチアンの『ペルスヴァル』の偽作プロローグ。ぺルスヴァルの両親に関する回想物語。
1200-1250頃『ランセロットと白き足の鹿』
 Lanceloet en het hert met de witte voet
写本 Lancelot-Compolatie にのみ伝存する中オランダ語の韻文ロマンス。『ティオレ』との関係が指摘される。
1200-1300頃『ワルウェインとケイ』
 Walewein ende Keye
Lancelot-Compolatie にのみ伝存する韻文ロマンス。自惚れ屋とケイに非難されたワルウェインが冒険に出る物語。
1200-1300頃『王の年代誌
 Brut y Brenhinedd
ジェフリーの『ブリタニア列王史』の翻訳だが、原本にはない挿話も載る長さの異なる60以上の写本に伝存。
1205ヴィルント・フォン・グラーフェンベルク 『ヴィーガーロイス』
 Wirnt von Gravenberg, Wigalois
『名無しの美丈夫』と粗筋を共有するが相違点も多い。主人公ヴィーガーロイスはガーヴェインの息子。
1208『ペルスヴァル第二続篇』
 2e Continuation du Perceval
『ペルスヴァル』第二続篇。ペルスヴァルを主人公とする「ペルスヴァル続篇」。作者はヴォーシエ・ド・ドゥナンとの説あり。
1208-1225頃『釈義』
 L'Elucidation
クレチアンの『ペルスヴァル』およびその第一・第二続篇のために書かれた偽作プロローグ。13世紀のモンス写本に残る。
1209-1214頃ティルベリのゲルウァシウス 『皇帝の閑暇』
 Gervasii Tilberiensis, Otia Imperialia
魔法の宮殿で豪華な寝台に横たわるアーサー王に会った、というカタニアの司教の馬丁の話を収録。
1210頃『剣の騎士』
 Le Chevalier à l'Epée
ゴーヴァンの冒険の成功と、不首尾に終わる結婚とを描く。『馬銜のない雌ラバ』と同じ作者との説あり。
1210頃ゴットフリート・フォン・シュトラースブルク 『トリスタン』
 Gottfried von Straßburg, Tristan
『トリスタンとイゾルト』とも。トマを原典として翻案した騎士道物語本系のトリスタン物語。19,584行で中断し未完。
1210頃ウルリッヒ・フォン・ツァツィクホーフェン 『ランツェレート』
 Ulrich von Zatzikhoven, Lanzelet
ドイツで初めてランスロ伝説を扱うが、王妃との恋愛には言及がない。1194年にドイツへもたらされた物語を翻訳したものという。
1210-1220頃『ディド・ペルスヴァル』
 Didot Perceval
『モデナのペルスヴァル』とも。ロベールの韻文作品を散文化したものとされる。主題はペルスヴァルの聖杯探求。
1210-1220頃パイヤン・ド・メジエール 『馬銜のない雌ラバ
 Paien de Maisières, La Mule sans Fresne
ゴーヴァンがアーサー王の宮廷に現れた乙女の馬銜を取り戻すための冒険に出立、見事成功して宮廷に凱旋する物語。
1215ハインリヒ・フォン・デム・デュルティン 『クローネ』
 Heinrich von dem Türlin, Diu Crône
『王冠』と邦訳されることも。ガーヴェインを主人公とする聖杯物語で、彼が聖杯探求に成功する唯一の作品。全30,041行。
1215-1220頃デア・シュトリッカー 『花咲く谷のダニエル』
 der Stricker, Daniel von dem blühenden tal
文武両道に卓越し、忠誠心の厚い、それまでのアーサー王物語には登場しないタイプの騎士ダニエルを主人公とする。
1217-1220頃ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ 『ティトゥレル』
 Wolfram von Eschenbach, Titurel
『パルチヴァール』に登場したジグーネとシオナトゥランダーとの恋愛物語。二篇の断片のみが伝存する。
1217-1263頃『パルスヴァル・サガ』
 Parcevals Saga
アイスランドの写本にのみ伝存する古ノルド語作品。クレチアンの『ペルスヴァル』、最初の約6,500行の翻訳。
1217-1263頃『ヴァルヴェール・パートル』
 Valvens Þáttr
古ノルド語による『パルスヴァル・サガ』の続篇。クレチアンの『ペルスヴァル』6514行以降に拠る。
1218ギラルドゥス・カンブレンシス 『帝王学』
 Giraldus Cambrensis, De Principis Instructione
グラストンベリ修道院でアーサー王とその妻の遺骨が発見されたとの報告を含む。
1220ギラルドゥス・カンブレンシス 『教会の鑑』
 Giraldus Cambrensis, Speculum Ecclesiae
ヘンリ二世治下、グラストンベリ修道院長がヘンリ=オヴ=サリの時代にアーサー王の遺骸が発掘されたとする。
1220頃ラウール・ド・ウーダン 『メロジス・ド・ポールレゲ』
 Raoul de Houdenc, Méraugis de Portlesguez
カヴァロン王の娘リドワーヌをめぐるメロジス・ド・ポールレゲと親友ゴルヴァン・カドリュとの競合を描く。ゴーヴァンも登場。
1220頃ラウール・ド・ウーダン 『ラギデルの仇討ち』
 Raoul de Houdenc, La Vengeance Raguidel
ゴーヴァンが、邪悪な騎士グエンガゾアンによって殺されたラギデルの仇討ちを成し遂げる物語。シャインティイ472番写本に伝存。
1220-1230頃『湖のランスロ』
 Lancelot del Lac
流布本物語群※6の第三話。『ランスロ本伝』とも。ランスロの生い立ちや、宮廷での活躍、王妃との馴れ初めなどが語られる。
1225頃『聖杯の物語』
 Estorie del Saint Graal
流布本物語群の導入部。ロベール・ド・ボロンの散文版『ヨセフ』を改作してふくらませたもの。
1225-1250頃『イデール』
 Yder
ニュートの息子イデールがグエンロイ王妃に恋し、彼女の出す条件を満たして晴れて結婚する物語。
1225-1250頃『ラヒセルの復讐』
 De Wrake van Ragisel
『ラギデルの仇討ち』の中オランダ語による翻案。ワレウェインが殺されたラヒセルの仇を討つ物語。
1226修道士ローベルト 『トリストラムとイゾントのサガ
 Brother Robert, Tristrams Saga ok Ísondar
古ノルウェー語による騎士道物語本系のトリスタン物語。ノルウェー王ハーコンの命によって書かれた。
1226-1230頃『聖杯の探索』
 La Queste del Saint Graal
流布本物語群の第四話で、円卓の騎士たちによる聖杯探索の物語。シトー修道会の思想の影響が見られる。
1226-1230頃『アーサー王の死』
 La Mort le roi Artu
流布本物語群の第五話で、円卓の崩壊とアーサーの死を描く。マロリーの原拠の一つ。
1226-1230頃ジェルベール・ド・モントルイユ 『ペルスヴァル続篇』
 Gerbert de Montreuil, La Continuation de Perceval
クレチアンの『ペルスヴァル』続篇。マネシエとは別個に、折れた剣のエピソードを完結させている。
1230頃『散文トリスタン』
 Prose Tristan
流布本系のトリスタン物語。
1230頃?『アーサーの書』
 Le Livre d'Artus
通常「流布本続編」と称される、ロベールの散文『メルラン』の続篇。アーサー王初期の事績を描く。
1230-1235頃『メルラン物語』
 Estoire de Merlin
流布本物語群の第二話。流布本『メルラン』とも。アーサー誕生の次第から、グニエーヴルとの結婚までを語る。
1230-1235頃ウルリヒ・フォン・テュールハイム 『トリスタン』続篇
 Ulrich von Türheim, Tristan
アイルハルトに拠った、ゴットフリートの『トリスタン』の不完全な続篇。全3,728行。
1230-1240頃『聖杯由来の物語』
 L'Estoire del Saint Graal
続流布本物語群の第一話。ポルトガル語訳などから復元されるそのテキストは、流布本を大きな変更なしに継承したもの。
1230-1240頃『聖杯の探索』&『アーサー王の死』
 La Queste del Saint Graal & La Mort Artu
続流布本物語群の結末部分。ともに流布本にもとづくが、両者を結びつける形で全体が再構成されている。
1230-1240頃『エレックのサガ』
 Erex saga
クレチアンの『エレック』の古ノルド語による翻案。ノルウェー王ハーコンの命によって書かれたと考えられている。
1230-1240頃『イヴァンのサガ』
 Ívens saga
クレチアンの『イヴァン』の古ノルド語訳。おそらくはノルウェー王ハーコンの命によって書かれた。
1230-1250頃『危険な墓地』
 L'Atre Périlleux
ゴーヴァンを目の敵にしていた複数の人物が、ある騎士をゴーヴァンと勘違いして殺害、ゴーヴァンがその仇を討つ物語。
1230-1250頃『双剣の騎士』
 Le Chevalier aux deux épés
『メリアドゥーク』とも。ガラディガンの貴婦人ローレの剣帯を、アーサーの宮廷でただ一人外すことが出来たメリアドゥークの物語。
1230-1260頃ペンニンク&フォスタールト 『ワルウェインの物語』
 Penninc & Pieter Vostaert, Roman van Walewein
騎士ワルウェインが宮廷に突然現れて消えたチェス盤を求めて冒険する物語。前半と後半で作者が異なる。
1233頃マネシエ 『ペルスヴァル第三続篇』
 Manessier, 3e Continuation du Perceval
クレチアンの『ペルスヴァル』第三続篇。ペルスヴァルが漁夫王の王位を継ぎ、ついに物語は完結する。
1235-1240頃『パラメデス』
 Palamedes
1235以降『メルラン続篇』
 Suite de Melrin
ロベールの散文『メルラン』の続篇。その写本の一つは「フス本」と呼ばれる。マロリーの原拠の一つ。
1240頃『デュルマール・ル・ガロワ』
 Durmart le Gallois
主人公デュルマールがまだ見ぬアイルランドの女王に恋をする物語。
1240-1250頃ジョアン・ヴィヴァス 『アリマタヤの書』
 Joam Vivas, Livro de José de Arimateia
続流布本『聖杯由来の物語』の中世ポルトガル語訳。16世紀の写本に完存し、フランス語原本の復元にも寄与する。
1240-1250頃ジョアン・ヴィヴァス 『メルリンの物語
 Joam Vivas, Merlin
続流布本『メルラン』?の中世ポルトガル語訳。断片のみ14世紀初めの羊皮紙に残る。
1240-1250頃ジョアン・ヴィヴァス 『聖杯の探求』
 Joam Vivas, Demanda do Santo Graal
続流布本『聖杯の探求』『アーサー王の死』の中世ポルトガル語訳。15世紀の写本に完存し、フランス語原本の復元にも寄与。
1250頃以前『ブリテン島三題歌』
 Trioedd Ynys Prydein
歴史・伝説を扱った押韻詩の集成。13〜17世紀の写本に残る。宮廷風アーサー王文学の影響が見られる。
1250頃以前『グウィゾネイ・ガランヒルとグウィン・アプ・ニッズの対話』
 Ymddiddan rhwng Gwyddnau Garanhir a Gwyn ap Nudd
『カイルヴァルジンの黒書』に伝存する。グウィゾネイとグウィンはともに『キルッフとオルウェン』の登場人物。
1250頃以前『りんごの樹
 Yr Affellenau
ミルズィンに関わる韻文作品。魔法のりんごの樹に語りかけるミルズィンの独白の形を取る。サクソン人の打倒を予言。
1250頃以前『猪の子』
 Yr Oianau
ミルズィンに関わる韻文作品。『りんごの樹』と同工異曲で、おそらくは『りんごの樹』を模倣した後の時代のもの。
1250頃以前『ミルズィンとタリエシンの対話』
 Ymddiddan Myrddin a Taliesin
ミルズィンに関わる韻文作品。全38行。標題の通り、ミルズィンとタリエシンの対話からなる。
1250頃『使者とマント』
 The Boy and the Mantle
196行のバラッド。アーサー王の宮廷に現れた使者が不思議なマント、短剣、角盃によって婦人の貞節さを判定する。
1250頃『散文ランツェロト』
 Prosa-Lancelot
流布本『ランスロ』の翻訳。
1250頃コンラート・フォン・シュトッフェルン 『ガウリエル・フォン・ムンタベル』
 Konrad von Stoffeln, Guriel von Muntabel / 妻に捨てられたガウリエルが、妻のためにアーサー王の騎士三人を捕まえる。
1250頃『僧形のトリスタン』
 Tristan als Mönch
ドイツに残された唯一のトリスタンもの短篇。トリスタンは自分が死んだと見せかけ、自らは修道士に扮してイゾートに会いに行く。
1250頃『ヴィーガムーア』
 Wigamur
1250-1275頃『散文トリスタン』第二版
 Prose Tristan(second version)
1250-1275頃『アンボー』
 Hunbaut
円卓の騎士アンボーとゴーヴァンの冒険を描くが、結末部分は亡失している。シャンティイ472番写本にのみ伝存。
1250-1275頃『フロリアンとフロレート』
 Floriant et Florete
モルガンにさらわれてアーサーの宮廷に送られたシチリア王の遺児フロリアンの、ビザンティン皇帝の娘フロレートへの愛の物語。
1250-1275頃『アーサーとマーリン』
 Arthour and Merlin
ケント方言で書かれた流布本『メルラン』の不完全な翻訳。英語韻文による最初のマーリンに関する物語。
1250-1280頃デア・プライアー 『花咲く谷のガーレル』
 der Pleier, Garel von dem Blühenden Tal
1250-1280頃デア・プライアー 『タンダレイースとフロールディベル』
 der Pleier, Tandareis und Frordibel
1250-1280頃デア・プライアー 『メーレランツ』
 der Pleier, Meleranz
1250-1290頃ヤーコブ・ヴァン・マールラント 『トレク』
 Jacob van Maerlant, Torec
中オランダ語の作品。イドール王の息子トレクが祖母から盗まれた宝冠をミロードから取り返そうとする物語。
1250-1300頃ロベール・ド・ブロワ 『ボドゥー』
 Robert de Blois, Beaudous
『見知らぬ美丈夫』などと同じ主題を扱った韻文ロマンス。主人公はゴーヴァンの息子ボドゥー。
1250-1300頃ジャン 『リゴメールの驚異』
 Jehan, Les Merveilles de Rigomer
ゴーヴァンがアイルランドのリゴメール城に掛けられた妖術を解き、ディオニーズ姫を救う物語。シャンティイ472番写本に伝存。
1250-1300頃『モリアーン』
 Moriaen
中オランダ語の作品。四人の騎士ペルヒェヴァール、ワレウェイン、ランセロット、モリアーンの冒険について語る。
1250-1300頃『フェルヒュート』
 Ferguut
『フェルギュス』に拠った中オランダ語の作品。若者フェルヒュートの成功物語。
1250-1300頃『洞穴のランセロット』
 Lantsloot varder Haghedochte
中オランダ語韻文による『散文ランスロ』の自由な翻案。1350年頃の写本の35の断片に伝存する。
1250-1300頃『袖の騎士
 Ridder metter mouwen
中オランダ語独自の韻文ロマンス。その主人公は、クラレットから愛情のしるしにもらった白い袖によって「袖の騎士」と呼ばれる。
1261頃ヤーコブ・ヴァン・マールラント 『聖杯物語』
 Jacob van Maerlant, Historie van den Grale
中オランダ語の作品。ロベール・ド・ボロンの散文版『ヨセフ』に拠る。
1268頃『クラリスとラリス』
 Claris et Laris
1270頃アルブレヒト・フォン・シャルフェンベルク 『新ティトゥレル』
 Albrecht von Scharfenberg, Jüngere Titurel
『ティトゥレル』に着想を得、その詩形式を模倣して書かれた大作。19世紀までヴォルフラムの作品と見なされていた。
1270-1280頃アイルランドのリチャルト 『メルランの予言』
 Richart d'Irlande, Le Prophécies de Melrin
1272-1298頃ルスティアーノ・ダ・ピザ 『集成』
 Rusticiano da Pisa, Compilasion
大部のアーサー王物語集成。イタリア人によって書かれた最初のアーサー王物語(ただしフランス語)。
1272-1333頃『散文ブリュ』
 Prose Brut
アングロノルマン語で書かれたブリテンの年代記。ブルート以降、大部分の写本は1333年までの記事を含む。
1280頃ジラール・ダミアン 『エスカノール』
 Girart D'Amiens, Escanor
1280頃『トリスターノ』(リッカルディアーノ写本)
 Tristano Riccardiano
イタリア語で最初の散文トリスタン物語。フランス語原本にかなり忠実。現存するのは、Prezzivalleとの一騎討ちまで。
1281-1300頃『ノヴェッリーノ』
 Novellino
イタリア語で書かれた小話集で、別名『古譚百話』。ランチロット関係3話、トリスターノ関係3話を含む。
1285頃『ローエングリーン』
 Lohengrin
ヴォルフラムの『パルチヴァール』にも語られる「白鳥の騎士」の物語。白鳥の騎士ローエングリーンはパルチヴァールの息子。
1290頃ハインリヒ・フォン・フライベルク 『トリスタン』続篇
 Heinrich von Freiberg,
アイルハルトとウルリヒに拠った、ゴットフリートの『トリスタン』の続篇。全6,890行で完結。
1300頃『アーサーとゴルラゴン』
 Arthur and Gorlagon
1300頃『トリストレム卿』
 Sir Tristrem
トリスタンを扱った唯一の中英語ロマンス。トマの『トリスタン』に忠実に従う。
1300頃『老いた騎士』
 Ho Presbys Hippotes
ギリシア語で書かれた最初のアーサー王物語。ガウェインも、ランスロットも、トリスタンも敵わない老騎士が描かれる。
1300-1325頃『アーサー王とコーンウォール王』
 King Arthur and the King of Cornwall
写本に欠損箇所の多いバラッド。アーサー王と四人の騎士が、王を侮辱した魔法使いのコーンウォール王を殺害する。
1300-1325頃『トリスターノ』(パンチァトキアーノ写本)
 Tristano Panciatochiano
イタリア語の散文トリスタン物語。最初の数頁は「リッカルディアーノ写本」に忠実だが、その後は相違が目立つ。
1300-1340頃『ガレスのパーシヴァル卿』
 Sir Perceval of Galles
パーシヴァルを主人公とし、クレチアンの『ペルスヴァル』と類似の構成を持つが、聖杯は登場せず、主人公は母親と再会する。
1300-1350頃『ランデヴァル卿』
 Sir Landevale
マリ・ド・フランスの『ランヴァル』のかなり忠実な中英語訳。原作と同じく八音節二行連句で書かれている。
1300-1350頃『イウェインとガウェイン』
 Ywain and Gawain
クレチアンの『イヴァン』を翻訳したもの。北部方言で残り、4032行からなる(『イヴァン』はおよそ6800行)。
1300-1363頃ラノルフ・ヒグデン 『ポリクロニコン』
 Ranulph Higden, Polychronicon
万国史。ジェフリーの『列王史』に部分的な疑義を示し、アーサーをサクソンに対する局地的反抗者の地位に引き下げている。
1300-1400頃『小ブリタニアのアルテュス
 Artus de la Petite Bretagne
ブルターニュ公の息子アルテュス(アーサー王とは別人だがその名にちなむ)の冒険を描いた散文ロマンス
1300-1400頃ピエリ 『メルリーノ物語』
 Paolino Pieri, La Storia de Merlino
若き日のメルリーノについて詳述し、彼の予言について記録している。作者はフィレンツェの年代記作家。
1300-1400頃『アリマタヤのヨセフの書』
 Libro de Josep Abarimatia
続流布本『聖杯由来の物語』のカスティリア語訳の断片。物語はポルトガル語訳に続くものだが、冒頭と末尾は伝存しない。
1303『騎士イヴァン』
 Herr Ivan
古スウェーデン語で書かれた最初期の長編文学作品。粗筋はクレチアンの『イヴァン』とほぼ同じ。
1307頃ピエール・ド・ラングトフト 『年代記』
 Pierre de Langtoft, Chronicle
イングランドで書かれた年代記。ジェフリーの『列王史』を援用しつつエドワードのスコットランド征服を正当化。
1307頃-1321ダンテ・アリギエーリ 『神曲』
 Dante Alighieri, La Divina Commedia
イタリア語の長編叙事詩。「地獄篇」にランチロットやトリスターノへの言及がみられる。
1310-1350頃『円卓』
 Tavola ritonda
トスカナで生まれたと考えられているイタリア独自のトリスタン物語。八つの写本に伝存。
1310-1388頃アントニオ・プッチ 『ギスミラント』
 Antonio Pucci, Gismirante
イタリア語の歌物語(カンターレ)。騎士ギスミラントの数々の冒険について語る。
1310-1388頃アントニオ・プッチ 『ブリテンのブルートゥ』
 Antonio Pucci, Brito di Brettagna
イタリア語の歌物語。主人公ブルートゥは愛する女性のため、アーサーの城からハイタカ、二匹の猟犬、巻物を手に入れる。
1330『ペルスフォレ』
 Perceforest
ブリテン初期の歴史を扱う大部の散文物語。アレクサンドロス大王をアーサー王の先祖に仕立てている。
1331-1336頃フィリップ・コリン&クラウス・ヴィセ 『新パルチファル』
 Philipp Colin & Claus Wisse, Der nüwe Parzefal
クレチアンの『ぺルスヴァル』第二及び第三続篇の翻訳翻案。一部改変されたヴォルフラムの『パルチヴァール』に挿入された。
1350頃『アリマタヤのヨセフ
 Joseph of Arimathie
流布本『聖杯の物語』に拠って書かれた英語の頭韻詩。原典をかなり要約している。
1350頃『三世代の問答』
 The Parlement of the Thre Ages
九偉人の一人としてアーサー王の生涯が語られる。その最期には、ガウェインが王の剣を湖に投げ入れる。
1350-1375頃『陽気な乙女』
 Pulzella gaia
イタリアの歌物語。モルガナの娘で、ガウェインの恋人「プルツェラ・ガイア(陽気な乙女)」が物語のヒロイン。
1350-1380頃『散文ブルート』
 Prose Brut
『散文ブリュ』の翻訳。ただし、1377年まで書き足されている。ヒグデンと並んで中世イングランドで人気のあった歴史書。
1350-1400頃『アーサー』
 Arthur
ラテン語散文で書かれたブリテン諸王の歴史『ブルート』の中途に挟まれた642行の英詩。内容はアーサー王の一代記。
1350-1400頃『カルドゥイーノ』
 Carduino
イタリアの歌物語。粗筋は『名無しの美丈夫』と共通するが、主人公はアーサー王の重臣ドンディネッロの息子カルドゥイーノ。
1350-1400頃『トリスタン』
 Tristán
ガリシア・ポルトガル語で書かれた『散文トリスタン』の写本断片。マドリッドの国立古文書館所蔵。
1370-1390頃『ガウェイン卿と緑の騎士』
 Sir Gawain and the Green Knight
首切りゲームをテーマにした傑作の誉れ高い頭韻詩。全2,530行。現存する写本は大英図書館コットン・ネロA.xのみ。
1375-1400頃トマス・チェスター 『ローンファル卿』
 Thomas Chestre, Sir Launfal
『ランデヴァル卿』、及び古仏語のロマンス『グレラン』を主要な典拠とする。伝存する唯一の写本は南東部方言で書かれている。
1375-1400頃トマス・チェスター 『リベアウス・デスコヌス』
 Thomas Chestre, Lybeaus Desconus
英語版『名無しの美丈夫』。挿話の順序が若干前後するものの、筋書きはルノー・ド・ボジューとほぼ同じ。
1375-1400頃『アーサーの不思議 ウォセレン湖畔にて』
 The Anturs of Arther at the Tarnewathelan
主人公はガウェイン。王妃の母を名乗る亡霊の出現と、騎士ガルランとの一騎討という二つの挿話からなる。
1375-1425頃『レオニスのトリスタンの物語』
 El Cuento de Tristán de Leonís
1380ジャン・フロワサール 『メリアドール』
 Jean Froissart, Meliador
ヴァロン方言で書かれた30,600行に及ぶ長編ロマンス。19世紀に写本が発見されるが、終末部は散逸している。
1385頃ジョン・オヴ・フォーダン 『スコット人年代記』
 John of Fordoun, Chronica Gentis Scotorum
スコットランドの年代記。ブルートの実在を疑問視し、新たに虚構の説話を作ってスコットランドの優位を多面的に主張。
1392-1394チョーサー 「バースの女房の話」(『カンタベリー物語』)
 Chaucer, 'Tale of Wife of Bath' in the Canterbury Tales
バースの女房の語るアーサー王宮廷の若い騎士の物語。騎士は醜悪な女と結婚、女に支配権を渡すことでその魔法を解く。
1400頃頭韻詩 『アーサーの死』
 Alliterative Morte Arthure
フランスへの遠征、モードレッドの裏切りを経てアーサー王の死までを描く。ソーントン写本にのみ伝存。
1400頃八行連詩 『アーサーの死』
 Stanzaic Morte Arthur
円卓の分裂、モードレッドの叛乱とアーサー王の死などを描くが、主人公はランスロット。Harley 2252にのみ伝存。
1400頃『ガウェイン卿とカーライルの田舎者』
 Sir Gawain and the Carl of Carlisle
荒野の砦で多くの試練に合格したガウェインが、城主の首を斬ることで彼の魔法を解く物語。二種の写本が伝存。
1400-1500頃『鸚鵡の騎士』
 Le Chevalier du Papegau
アーサーを武者修業の英雄として扱った唯一の作品。人の言葉を話す鸚鵡に導かれて冒険に出る。
1400-1500頃『ガウェイン卿の結婚』
 The Mariiage of Sir Gawaine
『貴婦人ラグネルの結婚』と同じ内容をうたったバラッド。
1400-1500頃『コルネウス卿のロマンス
 Romance of Sir Corneus
別名『寝取られ亭主のダンス』。ビケの『角盃の歌』と同じテーマを扱う。
1400-1500頃『トリストラムの詩』
 Tristrams Kvæði
ローベルトの『トリストラムとイゾントのサガ』に拠るアイスランド語のバラッド。トリストラムの怪我からその死までに焦点を当てる。
1420頃アンドリュー・オヴ・ウィントゥン 『原初年代記』
 Andrew of Wyntoun, Oryginale Cronykil
天地創造から始まるスコットランドの年代記。他のスコットランドの年代記と異なりアーサーに好意的。
1425頃『アーサー王、ガウェイン卿、ケイ卿、およびブレタンのボードウィン卿による誓約』
 The Avowynge of King Arther, Sir Gawan, Sir Kaye, and Sir Bawdewyn of Bretan / 四人の騎士が行う誓約とその実行の物語。
1435-1462頃『クリアルとグェルファ』
 Curial e Güelfa
カタルーニャ語で書かれたアーサー王物語。グェルファの寵愛と教育によって騎士となった若い小姓クリアルの恋と冒険を描く。
1450頃ヘンリー・ラブリッチ 『聖杯の物語』
 Henry Lovelich, The History of the Holy Grail
流布本『聖杯の物語』の非常に忠実な翻訳。アリマタヤのヨセフと聖杯の歴史に関する最も完全な英語の物語。
1450頃ヘンリー・ラブリッチ 『マーリン』
 Henry Lovelich, Merlin
流布本『メルラン』の翻訳。聖杯の予言者としてのマーリンの役割を強調。
1450頃『ガウェイン卿の冒険』
 The Jeaste of Syr Gawayne
断片のみが残る。主として『ペルスヴァル第一続篇』に拠る誘惑の物語。
1450頃『ガウェイン卿と貴婦人ラグネルの結婚』
 The Weddynge of Syr Gawen and Dame Ragnell
アーサーの命を救うためにガウェインが醜悪な姿の女と結婚する物語。作者はマロリーとの説あり。
1450-1460頃『散文マーリン』
 Prose Merlin
流布本『メルラン』の翻訳。ラブリッチとは独立にフランス語から翻訳されたらしい。ランスロットたちの誕生までを描く。
1450-1500頃『ロレンゲル』
 Lorengel
『ローエングリーン』と同じ主題を扱った叙事詩。ただしロレンゲルは結婚した姫のもとを去らず、物語は幸福なまま幕を閉じる。
1470サー・トマス・マロリー 「アーサーの死」
 Sir Thomas Malory, Le Morte Darthur
キャクストンによる編集以前のマロリー原作。1934年に発見されたウィンチェスター写本に伝存。
1472『ラーデのヴィゴライス』
 Wigoleis vom Rade
散文化された『ヴィーガーロイス』。1493年以降、民衆本として繰り返し印刷された。
1480ウィリアム・キャクストン 『イングランド年代記』
 William Caxton, Chronicles of England
『散文ブルート』を継承し、1419-1461年を追補したもの。マロリー第5巻の改訂に典拠として使用された。
1480-1490頃『湖のランスロット』
 Lancelot of the Laik
中期スコットランド語で書かれた騎士物語。『散文ランスロ』の挿話の一つを断片的に取り扱ったもの。
1480-1490頃『ゴラグロスとガウェイン』
 Golagros and Gawane
中期スコットランド語の物語。1508年に出版されている。
1483マッテーオ・マリーア・ボイアルド 『恋するオルランド』
 Matteo Maria Boiardo, Orlando innamorato
シャルルマーニュ伝説にアーサー王伝説を融合させたイタリア語の叙事詩。未完の第3巻は作者の死後、1495年に刊行された。
1484『トリストラントとイザルデ』
 Tristrant und Isalde
アウクスブルクで出版された民衆本のトリスタン物語。アイルハルトの『トリストラント』に基づく。
1485ウィリアム・キャクストン編 『アーサーの死』
 William Caxton ed., Le Morte Darthur
マロリーによって書かれた一連の物語を、キャクストンが編集・出版したもの。標題の『アーサーの死』もキャクストンによる。
1490ジュアノット・マルトゥレイ 『ティラン・ロ・ブラン』
 Joanot Martorell, Tirant lo Blanc
カタルーニャ語で書かれた騎士道物語。作者の死後、マルティ・ジュアン・ダ・ガルバが完結させ、バレンシアで出版された。
1500頃以前『ミルズィンと妹グウェンディズの対話』
 Cyfoesi Myrrddin a Gwenddydd ei Chwaer
ミルズィンに関する韻文作品。主として、妹の質問に答える形でミルズィンが行う一連の予言からなる。
1500頃以前『墓の中からのミルズィンの歌』
 Gwasgargerdd Fyrddin yn y Bedd
ミルズィンに関わる韻文作品。『ミルズィンと妹グウェンディズの会話』の続編として構想されたものらしい。
1500頃以前『若者への教訓』
 Peirian Faban
ミルズィンに関わる韻文作品。15世紀の写本に伝存する予言の詩。
1500頃『トルコ人とガウェイン』
 Turk and Gawain
Percy Filio Manuscript に残るが、破損箇所が多い。(トルコ人のような)小人とガウェインのマン島での冒険を描く。
1500頃『緑の騎士』
 The Grene Knight
『ガウェイン卿と緑の騎士』の改作。
1500-1600頃『アーサー王の物語』
 The Legend of King Arthur
アーサー王の一代記を歌ったバラッド。物語は終始アーサーの一人称で語られる。
1500-1600頃『アーサー王の死』
 King Arthur's Death
前半にモードレッドとの戦闘、後半に王の最期と愛剣の伝説を扱ったバラッド。剣はルーカンによって川に投げ入れられる。
1501頃『廷臣ギロン』
 Gyron le Courtois
ルスティアーノの『集成』の一部がVerardによって出版されたもの。のちにイタリア語に翻訳された。
1501『最強の騎士ドン・トリスタン・デ・レオニスとその偉大なる勲功について』
 Libro del esforçado cavallero don Tristán de Leonís e de sus grandes fechos en arms / バリャリッドで出版されたトリスタン物語。
1510??
 Little Tretys of the Birth and Prophecies of Merlin
1516ルドヴィコ・アリオスト 『狂えるオルランド』
 Ludovico Ariosto, Orlando furioso
イタリア語の長編叙事詩。ボイアルドの『恋するオルランド』を受けて、物語を完結させた。
1527ヘクター・ボゥイース 『スコットランド史』
 Hector Boece, Scotorum Historiae
モードレッドを正統とし、アーサー王を批判する年代記。1531年に中期スコットランド語散文に、1535年に同韻文に訳された。
1528, 1532『獅子の騎士メリアドゥス』
 Meliadus de Leonnys
ルスティアーノの『集成』の一部がJanotによって出版されたもの。メリアドゥスはトリスタンの父。
1530『ペルスヴァル・ル・ガロワ』
 Perceval le Gallois
クレチアンの『ペルスヴァル』の散文化作品。パリでガリオ・デュ・プレによって印刷された。
1530頃『小ブリテンのアーサー』
 Sir John Bourchier, Arthur of Little Britain
『小ブリタニアのアルテュス』の翻訳。アーサーは、武器の手並みと不思議な生き物との遭遇においてその武勇を示す。
1534ポリドー・ヴァージル 『イギリス史』
 Polydore Virgil, Anglicae Historiae Libri XXVI
ジェフリーの『列王史』の記述を批判し、ブルート=アーサー説話の虚構性を逐一指摘。スイスのバーゼルで公刊された。
1544ジョン・リーランド 『いとも気高きアーサーに関する言説』
 John Leland, Assertio Inclytissimi Arturii Regis Britanniae
リーランドは英国近世最初の好古家。自ら英国全土を巡り、民間信仰を証拠に熱狂的にアーサー王を弁護。ヴァージルを批判。
1550頃以前『トリスタンとイソスト物語
 Ystoria Trystan ac Esyllt
ウェールズ語のトリスタン物語。アーサーの裁定でトリスタンとマルクが和解する。カーディフ図書館所蔵の二写本に伝存。
1553ハンス・ザックス 『トリストラントとイザルト』※7
 Hans Sachs, Von der strengen Lieb Herr Tristrant mit der schönen Königin Isalden / 民衆本の散文物語にもとづく悲劇。
1570ルイージ・アラマンニ 『アヴァルキーデ』
 Luigi Alamanni, Avarchide
『イーリアス』を模倣したイタリア語の叙事詩。アーサー王によるブールジュの包囲を扱う。
1570ロジャー・アスカム 『学校教師』
 Roger Ascham, The Scholemaster
人文学者による上流子弟の教育論。マロリーの『アーサーの死』を「あからさまな殺戮と卑猥な文章」と糾弾。
1573ジョン・プライス 『ブリタニア史の防衛』
 Sir John Price, Historiae Britannicae Defensio
1545年以前から執筆され、この年公刊。ヴァージルの地名・人名の誤りの多さを指摘。抑制ある筆致でアーサーの史実性を擁護。
1575『ライアンス王の挑戦』
 King Ryence's Challenge
ケニルワス城で開かれた饗宴で、エリザベス女王を前にして吟誦されたと伝えられるバラッド。
1582ジョージ・ブキャナン 『スコットランド史』
 George Buchanan, Rerum Scoticarum Historia
スコットランドに生まれ、主にフランスで学んだ人文学者によるスコットランドの年代記。ブルート説話の非合理性を糾弾。
1586トマス・デロウニー 『湖のランスロット卿』
 Thomas Delony, Sir Lancelot du Lake
マロリーの第6巻に取材したバラッド。若干の異同はあるが、シェイクスピアも引用しており、パーシーの『拾遺』にも載る。
1586ウィリアム・カムデン 『ブリタニア』
 William Camden, Britannia
アーサー王の遺骸とともに発掘された鉛の十字架の銘文の載せる。また、1607年刊の第六版にはその模写の図まで掲載。
1587トマス・ヒューズ 『アーサーの不運』
 Thomas Hughes, The Misfortunes of Arthur
ジェフリーに取材した悲劇。グレイ法学院で催されたエリザベス女王のための祝宴で演じられた。
1589リチャード・ハクルイト 『イングランド国家の主要な領海域』
 Richard Hakluyt, Principall Nauigations, Voyages and Discoueries of the English Nation / アーサーの北方征服の物語を含む。
1590-1596エドマンド・スペンサー 『妖精の女王』
 Edmund Spenser, The Faerie Queene
未完の寓意詩。妖精の女王は栄光を寓意すると同時にエリザベス女王を表す。戴冠前のアーサーが登場。

※1 : 当初はバーバーの年表(すべて欧文表記)を日本語になおせば良い、くらいに思っていたのだが、凝りだしたら止まらなくなり、結局、公開までえらい時間を費やすことになってしまった(そしていまだに未完成)。その代わり、おそらくとりあげた作品数で言えば、邦語サイト中最も詳しいものになったと自負している。ただ、作品数が多すぎるため、どれがアーサー王伝説にとって特に重要な作品なのかが分かりにくくなっている。例えば、「クレチアン・ド・トロワって誰?」とか「ゴーヴァンって誰?」といった人には、何が何だか分からない年表かも知れない。ただ、重要作品だけを取り上げた年表ならネット上にすでに存在するので、私が作っても大して意味がない、と一応言い訳しておく。「クレチアンやマロリーなら知ってるけど…」という(私と同じくらいの)レベルの人が見れば、そこそこ参考になるのではないだろうか。なお、ここに取り上げた作品の大部分には、邦訳はおろか詳しい解説さえ見つけることが出来なかった。調べれば調べるほど、アーサー王伝説について何も知らない、ということに気づかされる。困ったものである。

※2 : アーサー王伝説を扱う場合に必ず直面するのがカナ表記の問題である。アーサー王にまつわる文献は、英語、フランス語、ドイツ語など複数の言語で書かれているので、同一人物でも書かれた言語によって発音が変わり、それを忠実にあらわせば、当然の如くカナ表記も変わってしまう。例えば、「アーサー」は英語読みであり、フランス語なら「アルチュール」、ドイツ語なら「アルトゥース」などとなるわけである。これを統一してしまうか、各言語の発音を尊重するかは、書き手によるわけだが、ここではなるべく各言語の発音を尊重することにした。といっても、私自身は英語もろくに読み書き出来ない身なので、各文献に書かれた「それらしい」カナ表記を踏襲する、というだけの話で、厳密に各言語の発音にしたがっているわけではない。その目的も、各国語の尊重というより、類似したものの多いタイトルに少しでも差異を与え、作品同定を容易にするため、という側面が強い。また、「恣意的に改変」云々というのは、例えば、小路邦子が「ガウェインの誕生と幼年時代」(『剣と愛と』中央大学出版部, 2004所収)で『ガウェインの幼年時代』という邦題を与えている Les Enfances Gauvain について、これがフランス語で書かれた作品であることを考慮して、表中では『ゴーヴァンの幼年時代』としたようなことを指している。まったく不完全ながら、このような改変に用いたカナ表記一覧を以下に示す。

英語フランス語ドイツ語ウェールズ語ラテン語オランダ語イタリア語
アーサーアルテュス
アルチュール
アルトゥースアルスルアルトリウスアルトゥーロ
ガウェインゴーヴァンガーヴェイングワルッフマイワルウアニワルウェイン
ランスロットランスロランツェレットランセロットランチロット
パーシヴァルペルスヴァルパルチヴァールペレドゥルペルヒェヴァール
イウェインイヴァンイーヴェインオウァイン
マーリンメルランメルリンミルズィンメルリン
メルリヌス
メルリーノ
トリスタン
トリストラム
トリスタントリスタン
トリストラント
ドラスタン
トリスタン
トリスターノ
グウィネヴィアグニエーヴルギノヴェーアグウェンホヴァルグエンヌエラ
ケイクーケイエカイケイ
モードレッドモルドレメドラウト

   なお、同じ言語で書かれていても、作品・作者によって名前の綴りが異なる場合があるが、これを厳密に表記するのは、少なくとも私には不可能である。また、「アーサー」など一部の名前については、書かれた言語を無視して用いている場合がある。

※3 : ウェールズの古詩については、参考文献が少なく、正直よく分からない部分が多い。この註を付した『セワルフ・ヘンの歌』は、中野節子訳『マビノギオン』(2000)の訳注に言及されるものだが、詳しい説明はない(p.434)。また、『ケルト文化事典』(2002訳)の「スェヴァルッフ・ヘン Llywarch Hen」の項には、「ウェールズの写本には,スェヴァルッフの作とされる素晴らしい詩篇が残されている」との記述があるが(p.85)、歌のタイトルらしきものは見当たらない。一方、「キンズィラン Kynddylan(Cynddylan)」の項によると、「ウェールズの写本には,詩人(バルド)スェヴァルッフ・ヘンの手に帰されている秀作「キンズィランの死を弔う歌」が見られる」という(p.49-50)。とすると、中野の言う「セワルフ・ヘンの歌」が、この「キンズィランの死を弔う歌」と同一の詩である可能性を考える必要があるが、少なくとも中野自身はこれを別個のものと考えているらしい。何故なら、中野は「ウェールズのアーサーをめぐって(1)」という論考( 『大妻女子大学紀要―文系―』31, 1999)の中で、「キンズィランのためのエレジー」に言及しており、これを「7世紀中頃の作者不明の詩(戦いの末一人生き残った勇者キンズィランの妹へレッズ(Heledd)の作と考えられる)」だと述べているからである(p.121(234))。「キンズィランの死を弔う歌」と「キンズィランのためのエレジー」は、おそらく同じ古詩を指していると考えられるが、成立年代や作者に関する見解は書き手によってかなり異なるようだ。
   また、『ケルト事典』(2001訳)には『ゲレイントの詩』 Englynion Gereint という項目があり、「英雄ゲレイント・ヴァーブ・エルビンに関する27詩節から成る詩」との説明がある(p.98)。これは森野聡子が「ブリテン神話の中のアーサー」(『静岡大学教養部研究報告 人文・社会科学篇』28-1, 1992)で挙げている古詩「エルビンの息子ゲライント」(Geraint fil' Erbin)と同じものだろう(p.107(208))。ウェールズには『マビノギオン』に含まれる散文物語『エルビンの息子ゲライントの物語』が別にあり、これと紛らわしいが、森野は散文物語の「エルビンの息子ゲライント」(Geraint fab Erbin)を別に挙げている(p.107(208))。
   さらに、成立年代も不明確なものが多い。例えば、アーサーの登場する最初期の資料『ゴドディン』(『ゴドズィン』)について、中野節子は「6世紀後半に活躍したと考えられる詩人アネイリン(Aneirin)の作」とする(中野1999, p.121)。しかし、渡邉浩司は、「『ゴドディン』を収める『アネイリンの書』の写本は13世紀中頃のものであるが,『ゴドディン』自体は9世紀のものと推定される」と述べている(『ケルト文化事典』所収「アーサー王物語の淵源をケルトに探る」2002, p.192)。一方、『ケルト事典』(2001訳)には「ゴドジン〔ゴドディン〕 Y Gododdin」の項があるが、成立年代については「成立状況や伝承の歴史についてはいまだに論じられている」と明言を避けている(p.102)。本ページではひとまず渡邉の記述を採用して9世紀としたが、そこで問題になったのは前述した「キンズィランの死を弔う歌(キンズィランためのエレジー)」である。中野がこれを7世紀中頃の成立と推定するのは、『ゴドディン』を6世紀後半とするのを受けたものだろう。だとすれば、『ゴドディン』を9世紀に変更した場合、『キンズィランの死を弔う歌』の成立年代も再考する必要があるが、渡邉はこれに言及しない。本ページがやむを得ずこれを??と表記しているのは以上のような理由からである。
   そもそもウェールズの古詩については、成立年代に言及しない文献が多く、現存する写本の成立年代より前、ということしか分からないものが多い。その最たるものは、『ブリテン島三題歌』で、多くの参考文献が取り上げているにもかかわらず、その成立年代に言及したものには今のところ出会っていない。そこで本ページは、渡邉浩司が「西欧中世の韻文「トリスタン物語」におけるイズー像とその原型をめぐって」(佐藤清編『フランス』中央大学出版部, 2005所収)の中で、その最古の写本を13世紀中葉としているのを受け、「1250頃以前」の成立としている。苦肉の策である。

※4 : 渡邉浩司によれば、クレチアン・ド・トロワ以降に書かれた、ゴーヴァンを主人公とする、聖杯のテーマを含まない物語群を「ゴーヴァン・サイクル」と呼ぶ(渡邉浩司2005など)。『名無しの美丈夫』、『メロジス・ド・ポールレゲ』、『剣の騎士』、『馬銜のない雌ラバ』、『ラギデルの仇討ち』、『イデール』、『グリグロワ』などがこれに属する。

※5 : 韻文の『ヨセフ』と『メルラン』の断片は、BN.20047という写本一つにしか伝わっていない。一方、散文の『ヨセフ』は11の写本に、散文の『メルラン』は46の写本に完全な形で伝わっている。また、散文『ヨセフ』を伝える11の写本は、いずれもそれに続いて『メルラン』を収録し、うち2写本は、さらにペルスヴァルを主人公とする散文作品を後続させている。2写本とは、Modena, Biblioteca Estense, E39 (XIIIes.) とBN, n. a. 4166 (anc. ms. Didot, daté de 1301) で、この散文作品は『ディド・ペルスヴァル』と呼ばれる(岡田真知夫1986)。
   ロベール・ド・ボロンは韻文で書き、後に他者によって散文化された、というのが一般的な解釈だが、最近、散文が先で後に韻文化されたとの説がリンダ・ゴワンス Linda Gowans によって提出されているという(小路邦子「エクスカリバーの変遷」(『続 剣と愛と』中央大学出版部, 2006所収))。さらに、散文の『ヨセフ』と『メルラン』とは作者が別で、ロベール・ド・ボロンが書いたのは『ヨセフ』のみであり、散文の『メルラン』と『ペルスヴァル』は続編作者によって書かれたものである、とも指摘されている。とすれば、現存していない韻文の『ペルスヴァル』は、元々存在しなかった、という可能性もあるのだろうか?

※6 : アーサー王、騎士ランスロ、聖杯の三者にまつわる一連のフランス語散文物語を『ランスロ=聖杯』 Lancelot-Graal と総称することがある。『フランス文学辞典』(1974)によれば、この『ランスロ=聖杯』には、「流布本」と「偽ロベール・ド・ボロン Pseudo-Robert de Boron 本」の二系統があるが、「今日ではもっぱら流布本についてのみ語られる」という(p.813)。通常、この「流布本物語群」 Vulgate Cycle に分類されるのは、『聖杯の物語』、『メルラン物語』、『湖のランスロ』(『ランスロ本伝』とも)、『聖杯の探索』、『アーサー王の死』の五作品らしい(厨川文夫「解説」『アーサー王の死』p.472)。しかし、コグランの『アーサー王伝説事典』(1998訳)は、『メルラン続篇』をこれに含めている(p.308-309)。また、流布本物語群の作者は複数だとされるが、一人の構想に基づくとの説もある。一方の「偽ロベール・ド・ボロン本」は、「続流布本物語群 Post-Vulgate cycle」とも称されるが、完全な形では現存しておらず、今日知られるのは、スペイン語訳やポルトガル語訳から復元したものらしい。
   なお、『フランス文学辞典』の指摘どおり、新倉俊一は先の五作品を『ランスロ=聖杯』と総称しているが(「解説」『フランス中世物語集4』p.557)、渡邉浩司はこれに『アーサーの書』を加えて、全六作品としている(「アーサー王物語の淵源をケルトに探る」『ケルト文化事典』p.206)。新倉は『メルラン物語』の「写本の一つは断片的な『アーサー王の書』を伴う」と述べている(p.557)。
   さらに、先の五作品中、『湖のランスロ』(『ランスロ本伝』)、『聖杯の探索』、『アーサー王の死』の三作品のことを、『散文ランスロ』 Lancelot en prose と呼ぶ場合がある。天沢退二郎はフラピエを引用して、「『ランスロ本伝』とその最終部『アグラヴァン』、『聖杯の探索』、『アーサー王の死』の全体を含む」とこれを定義している(『聖杯の神話』訳注p.371)。ただし、コグランの『アーサー王伝説事典』は、『散文ランスロ』=『湖のランスロ』とみなしているようで(p.306, 308)、この点は『フランス中世文学を学ぶ人のために』(2007)の佐佐木茂美も同様である(p.101)。分かりにくいことこの上ないが、本ページではとりあえず、流布本といえば、『聖杯の物語』、『メルラン物語』、『湖のランスロ』、『聖杯の探索』、『アーサー王の死』の五作品(物語の時系列はこの順だが、成立年代は前後する)を指している。
   また、トリスタン物語は、流布本系統(ベルールなど)と騎士道物語本系統(トマなど)の二つに分けられるが、この流布本と、『ランスロ=聖杯』の流布本は別ものである。

※7 : あまりに長いため表中では省略したが、小澤昭夫によれば、この悲劇の正式なタイトルは、Tragedia mit dreiundzwanzig Personen. Von der strengen Lieb Herr Tristrant mit der schönen Königin Isalden und hat sieben Actus らしい。小澤はこれを 『23の登場人物による悲劇 トリストラント殿と美しき王妃イザルトの悲恋のこと 7幕』 と訳している(ハンス・ザックス「『トリストラントとイザルト―悲劇7幕』(前編)」(2000))。

参考文献 ◇土方辰三, 北川悌二, 多田幸蔵著 『イギリス文学大系Ⅰ 十六世紀 シェイクスピアの時代』 東京大学出版会, 1960.11
◇T.マロリー ; W.キャクストン編(厨川文夫, 厨川圭子編訳)『アーサー王の死 中世文学集 I 』 筑摩書房, 1986.9(1971.12)
◇佐藤輝夫, 山田067601:ジャク, 新倉俊一訳 『ローランの歌/狐物語 中世文学集 II 』 筑摩書房, 1986.10(1971.12)
◇日本フランス語フランス文学会編 『フランス文学辞典』 白水社, 1974.9
◇関本榮一訳註 『中世英詩「梟とナイチンゲール」「三世代の問答」』 松柏社, 改訂新版 1986.12(初版1977.5)
◇リチャード・バーバー(宮利行訳)『アーサー王 その歴史と伝説』 東京書籍, 1983.10
◇青山吉信 『アーサー伝説―歴史とロマンスの交錯―』 岩波書店, 1985.8
◇中世英国ロマンス研究会訳 『中世英国ロマンス集 第二集』 篠崎書林, 1986.10
◇池上忠弘 『ガウェインとアーサー王伝説』 秀文インターナショナル, 1988.3
◇ジャン・フラピエ(天沢退二郎訳)『聖杯の神話』 筑摩書房, 1990.5
◇新倉俊一, 神沢栄三, 天沢退二郎訳 『フランス中世文学集1 ―信仰と剣と―』 白水社, 1990.12
◇新倉俊一, 神沢栄三, 天沢退二郎訳 『フランス中世文学集2 ―愛と剣と―』 白水社, 1991.6
◇清水阿や訳注 『英和対訳 中世韻文アーサー物語 三篇』 ドルフィン プレス, 1994.11
◇ヨアヒム・ブムケ(平尾浩三, 和泉雅人, 相澤隆, 斎藤太郎, 三瓶慎一, 一條麻美子訳)『中世の騎士文化』 白水社, 1995.5
◇新倉俊一, 神沢栄三, 天沢退二郎訳 『フランス中世文学集4 ―奇蹟と愛と―』 白水社, 1996.4
◇ローナン・コグラン(山本史郎訳)『図説 アーサー王伝説事典』 原書房, 1996.8
◇『世界文学大事典』編集委員会編 『集英社 世界文学大事典1〜6』 集英社, 1996.10-1998.1
◇ティルベリのゲルウァシウス作(池上俊一訳) 『皇帝の閑暇』 青土社, 1997.3
◇アンヌ・ベルトゥロ(松村剛監修, 村上伸子訳)『アーサー王伝説』 創元社, 1997.10
◇C・スコット・リトルトン, リンダ・A・マルカー(辺見葉子, 吉田瑞穂訳)『アーサー王伝説の起源』 青土社, 1998.10
◇C・カイトリー(和田葉子監訳)『中世ウェールズをゆく ジェラルド・オヴ・ウェールズ1188年の旅』 関西大学東西学術研究所, 1999.3
◇中野節子訳 『マビノギオン 中世ウェールズ幻想物語集』 JULA出版局, 2000.3
◇ベルンハルト・マイヤー(鶴岡真弓監修, 平島直一郎訳)『ケルト事典』 創元社, 2001.9
◇クリストファー・スナイダー(山本史郎訳)『図説アーサー王百科』 原書房, 2002.3
◇ジャン・マルカル(金光仁三郎, 渡邉浩司訳)『ケルト文化事典』 大修館書店, 2002.7
◇渡邉浩司 『クレチアン・ド・トロワ研究序説 修辞学的研究から神話学的研究へ』 中央大学出版部, 2002.12
◇中央大学人文科学研究所編 『剣と愛と 中世ロマニアの文学』 中世大学出版部, 2004.8
◇水田英実, 山代宏道, 中尾佳行, 地村彰之, 四反田想, 原野昇 『中世ヨーロッパにおける死と生』 溪水社, 2006.9
◇エドマンド・キング(吉武憲司監訳 ; 高森彰弘, 赤江雄一訳)『中世のイギリス』 慶應義塾大学出版社, 2006.11
◇原野昇編 『フランス中世文学を学ぶ人のために』 世界思想社, 2007.2
◇ジェフリー・オヴ・モンマス(瀬谷幸男訳)『アーサー王ロマンス原拠の書 ブリタニア列王史』 南雲堂フェニックス, 2007.9
◇ジュアノット・マルトゥレイ, マルティ・ジュアン・ダ・ガルバ作(田澤耕訳)『完訳 ティラン・ロ・ブラン』 岩波書店, 2007.9
◇Ernest Martin, Le Roman de Renart, Premiar Vorume, K. J. Trubner, 1882
◇Peter Bondanella, Julia Conaway Bondanella, co-editors, Dictionary of Italian literature, Greenwood Press, 1979
◇Norris J. Lacy, Editor, The Arthurian Encyclopedia, Garland Publishing, Inc., 1986
◇荒井秀直 「中世のローエングリン文学」 『慶應義塾大学商学部 日吉論文集』第2号, 1965.10
◇山本淳一 「宮廷物語の変質―Roaul de Houdenc, Meraugis de Portlesguez の場合」 『人文』第XXIV集, 1978
◇清水阿や 「バラッドとアーサー王物語(1)〜(5)」 『大東文化大学 英米文学論叢』第11号〜第15号, 1979.12-1984.3
◇高宮利行 「テューダー朝におけるアーサー王熱と『アーサーの死』」 『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』第11号, 1979.12
◇清水阿や 「中世における英国の変身物語」 『大東文化大学紀要』第19号〈人文科学〉, 1981.3
◇岡田真知夫 「ロベール・ド・ボロンの聖杯三部作」 『人文学報』第182号, 1986.2
◇アイルハルト・フォン・オーベルク(小澤昭夫訳)「『トリスタン物語』」 『北陸学院短期大学 紀要』第19号〜第20号, 1987.12-1988.12
◇古賀允洋 「中世ドイツ文学におけるトリスタン・シュトッフの変容」 『文学部論叢』第27号 文学篇, 1989.3
◇森野聡子 「ブリテン神話の中のアーサー」 『静岡大学教養部研究報告 人文・社会科学篇』第28巻 第1号, 1992.9
◇小栗友一 「ローエングリーン(中世ドイツ叙事詩)(1)〜(2)」 『言語文化論集』第XV巻 第1号〜第XV巻 第2号, 1993.11-1994.3
◇増山暁子 「イタリアのトリスタン伝説 トリスタンの狂乱について」 『言語文化』第11号(特集・アーサー王・II), 1994.3
◇佐藤牧夫 「中世のフランス,ドイツ,オランダの叙事詩―文学に見る中心と辺境―」 『東北ドイツ文学研究』第39号, 1995.12
◇谷口幸男 「アイスランドのトリスタン伝説」 『国際学論集』第9巻 第1号, 1998.6
◇中野節子 「ウェールズのアーサーをめぐって(1) ―歴史と文学の中から―」 『大妻女子大学紀要―文系―』第31号, 1999.3
◇ハンス・ザックス(小澤昭夫訳)「『トリストラントとイザルト―悲劇7幕』(前編)」 『八戸大学紀要』第20号, 2000.3
◇渡邉浩司 「老賢者の日欧比較―メルランとサルタヒコをめぐって―」 『人文研紀要』第39号, 2000.9
◇福井千春 「イベリアのトリスタン事始」 『フランス語フランス文学研究』第5号 神沢先生追悼集(第三集), 2001.1
◇小竹澄栄 「屍と僧服―「僧形のトリスタン」に関する覚書」 『人文学報』第322号, 2001.3
◇花田文男 「もう一人のメルラン(比較と注釈)」 『千葉商大紀要』第39巻 第3号(通巻134号), 2001.12
◇秋篠憲一 「“Trew Lunet”―Ywain and Gawain の一解釈」 『同志社大学英語英文学研究』74号, 2002.3
◇鈴木徹也 「"謎の共同編集者"―マルコ・ポーロの「東方見聞録」異聞―」 『帝京大学外国語外国文学論集』第9号, 2003.2
◇黒田享 「スカンジナビアのアーサー王」 『言語文化論集』第62号, 2003.3
◇秋篠憲一 「“Wilde Wayes I Chese”:Sir Percyvell of GalesにおけるPercyvellと母の再会」 『同志社大学英語英文学研究』75号, 2003.3
◇黒沢直俊 「古ポルトガル語における否定表現」 2003.5
◇渡邉浩司 「アーサー王物語における固有名の神話学(その2)―トリスタンの名をめぐって―」 『人文研紀要』第49号, 2003.10
◇小路邦子 「モードレッド懐胎をめぐって―『メルラン』, 『続メルラン』, マロリー―」 『人文研紀要』第49号, 2003.10
◇花田文男 「メルランの最後の日々」 『千葉商科大紀要』第41巻 第3号(通巻142号), 2003.12
◇黒澤直俊 「中世ポルトガル語における聖杯物語群のテキストについて」 『語学研究所論集』第9号, 2004.3
◇渡邉浩司 「「短詩」から「ロマン」へ―「ブルターニュの素材」における口承性をめぐって―」 『人文研紀要』第50号, 2004.10
◇白木和美 「Ulrich von Zatzikhoven „Lanzelet“:作品紹介」 『Metropole』27号, 2004
◇會田素子 「新しき「白鳥の騎士」物語―中世後期ドイツ叙事詩『ロレンゲル』をめぐって―」 『藝文研究』No.88, 2005.6
◇渡邉浩司 「西欧中世の韻文「トリスタン物語」におけるイズー像とその原型をめぐって」(佐藤清編 『フランス―経済・社会・文化の位相』 中央大学出版部, 2005.7所収)
◇渡邉浩司「「アーサー王物語」とクマの神話・伝承」(一井昭ほか編 『創立100周年記念論文集』 中央大学経済学部, 2005.10所収)
◇渡邉浩司 「『馬銜のない牝騾馬』と民話の国際話型AT325」 『人文研紀要』第53号, 2005.10
◇渡邉浩司 「『名無しの美丈夫』におけるゴーヴァン像」 『仏語仏文学研究』第38号, 2006.3
◇中野節子 「ウェールズの聖杯伝説―「エヴラウクの息子ペレドゥルの物語」から―」 『大妻女子大学紀要―文系―』第37号, 2006.3
◇渡邉浩司 「『名無しの美丈夫』と『ヴィーガーロイス』―2つの世界―」 『人文研紀要』第56号, 2006.9
◇高木眞佐子 「印刷家ウィリアム・キャクストンの政治意識―『イングランド年代記』刊行をめぐって」(中央大学人文科学研究所編 『続 剣と愛と 中世ロマニアの文学』 中世大学出版部, 2006.11所収)
◇小路邦子 「エクスカリバーの変遷」(同上)
◇渡邉浩司 「ペルスヴァルに授けられた剣と刀鍛冶トレビュシェットの謎―クレチアン・ド・トロワ作『聖杯の物語』再読」(同上)
◇土肥由美 「ダニエルの剣―シュトリッカーの描く十三世紀の騎士奉公」(同上)
◇渡邉浩司 「「伝記物語」の変容―ギヨーム・ル・クレール作『フェルギュス』をめぐって―」 『仏語仏文学研究』第39号, 2007.3
◇渡邉浩司 「「伝記物語」の変容(その2)―『グリグロワ』をめぐって―」 『人文研紀要』第59号, 2007.9
◇渡邉浩司 「13世紀フランスの「ゴーヴァン礼賛」―『危険な墓地』をめぐって―」 『仏語仏文学研究』第40号, 2008.3
◇渡邉浩司 「クレチアン・ド・トロワ『聖杯の物語』におけるトレビュシェットの謎」 『人文研紀要』第62号, 2008.8

[謝辞] :
 2008年9月、それ以前から本サイトでその著書及び論文を参考にさせていただいていた中央大学の渡邉浩司先生から掲示板に書き込みをいただきました。それだけでも有り難いことなのですが、その後、渡邉先生の書かれた論文の抜刷や、図書・雑誌本体等々を合わせて17冊も送って下さいました。この場を借りてあらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。まだまだ十分に活用できていませんが、本頁を含め、少しずつサイトに反映させることが出来れば、と思っています。以下にいただいた文献リストを掲げます。

〔抜刷〕
◇「ベルール『トリスタン物語』における隠者オグランの謎」 『仏語仏文学研究』第33号, 2001.3
◇「「アーサー王物語」とクマの神話・伝承」 『中央大学経済学部創立100周年記念論文集』 2005.10
◇「『馬銜のない牝騾馬』と民話の国際話型AT325」 『人文研紀要』第53号, 2005.10
◇「『名無しの美丈夫』におけるゴーヴァン」 『仏語仏文学研究』第38号, 2006.3
◇「『名無しの美丈夫』と『ヴィーガーロイス』―2つの世界―」 『人文研紀要』第56号, 2006.9
◇「「伝記物語」の変容―ギヨーム・ル・クレール作『フェルギュス』をめぐって―」 『仏語仏文学研究』第39号, 2007.3
◇「「伝記物語」の変容(その2)―『グリグロワ』をめぐって―」 『人文研紀要』第59号, 2007.9
◇「13世紀フランスの「ゴーヴァン礼賛」―『危険な墓地』をめぐって―」 『仏語仏文学研究』第40号, 2008.3
◇ハミッド・ネジャット(渡邉浩司訳)「『ヴィースとラーミーン』とペルシア・ロマンス叙事詩の伝統」 『仏語仏文学研究』第36号, 2004.3
◇ハミッド・ネジャット(渡邉浩司訳)「ザラスシュトラの教えとペルシア文化への影響―フィルドウスィーの『王書』を例に―」 『仏語仏文学研究』第38号, 2006.3

〔図書・雑誌〕
◇『名古屋仏文学会論集 フランス語フランス文学研究 plume』4(神澤榮三先生追悼号2), 1999.4(「クレチアン・ド・トロワ『聖杯の物語』における「醜」のレトリック」収録)
◇ルイ・J. アンドレ, ジャン=ルイ・シャリエール, フィリップ・ダニエル著(渡邉浩司, 渡邉裕美子訳)『要塞都市アントルモン エクス=アン=プロヴァンス〜見学ガイド』 アントルモン考古学協会, 2001.11
◇『中央評論』第238号, 2001.12(「日仏民俗旅日記4 カルナックの巨石群」収録)
◇『中央評論』第240号, 2002.7(「日仏民俗旅日記6 ノーヴのタラスク」収録)
◇『中央評論』第241号, 2002.10(「日仏民俗旅日記7 剣の橋を渡るランスロ」収録)
◇フィリップ・ヴァルテール著(渡邉浩司訳)『人文研ブックレット23 中世の「キリスト教神話」を求めて―神話・神秘・信仰―』 中央大学人文科学研究所, 2008.2
◇『人文研紀要』第62号, 2008.8(「クレチアン・ド・トロワ『聖杯の物語』におけるトレビュシェットの謎―「続編」群およびヴェーレント伝説との比較から―」収録)


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2007/06/14:初版(未完成・仮公開)
2007/06/19:加筆・修正
2008/12/30:最終加筆
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