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〜英雄叙事詩に登場する動物の名前一覧〜

《第7展示室:おまけキャプション1》

内陸アジアの英雄叙事詩を読むにあたって、名のある武器を集めるついでに、固有の名前を持つ動物を集めてみた。「動物」と言っても、現状は馬しかなく、今後もメインが馬になることは間違いない。遊牧民族にとって、馬が武器以上に重要なものだったことは容易に想像できるが、実際、「名のある武器」よりも「名のある馬」の方がはるかに多いようである。

参考文献
◇若松寛訳 『マナス 少年篇―キルギス英雄叙事詩』 平凡社, 2001.9


◆キルギス英雄叙事詩『マナス』
分類名称主な出典概要
トゥーチュナク◇『マナス』マナスの父ジャクィプの愛馬。逃げたこの馬を追っていった少年メンディバイは、山の中で不思議な40人の子どもに出会った。
カムバルボズ◇『マナス』マナスの生まれる日にジャクィプが道で出会った馬群のリーダーの種馬。その名は「葦毛のカムバル」を意味し、馬の保護神カムバル・アタの名にちなむ。
キョクチョロク◇『マナス』ジャクィプと同じ営地に住むアクバルタの持つ乗用馬。アクバルタはこれに乗って、ジャクィプに男の子(マナス)が生まれたという「スユンチ(吉報)」を届けた。
ジュリタマン◇『マナス』マナス誕生を祝う祝宴(トイ)の際の競馬に出場したタタール人の勇士エシュテクの馬。黒いたてがみの赤栗毛馬。
スルキーク◇『マナス』マナス誕生を祝う祝宴(トイ)の際の競馬に出場したジェティゲル人のバグィシュの馬。一着で、五百頭のひとこぶ駱駝と、二頭の駱駝に積んだ黄金を勝ち取った。
カラスル◇『マナス』マナス誕生を祝う祝宴(トイ)の際の競馬に出場したカンガイ人の馬。競馬の出発点はカルカンのオギュズ・ケチュだった。
トーカラ◇『マナス』マナス誕生を祝う祝宴(トイ)の際の競馬に出場した弁舌家タズの馬。弁舌家タズはクィプチャク人でジャクイプの親類。
ナルカラ◇『マナス』マナス誕生を祝う祝宴(トイ)の際の競馬に出場したアルタイ人の馬。叙事詩では、アルタイに住む複数の氏族及び種族が「アルタイ人」と呼ばれる。
アキリク◇『マナス』マナス誕生を祝う祝宴(トイ)の際の競馬に出場したアンディジャンの馬。アンディジャンはフェルガナ低地東部の町。
ボズタイラク◇『マナス』カムバルボズの群の中の一頭。マナスの母チュウィルディが、カルマク人を殺したマナスを探しに行く際に乗って行った馬。
クーチャブダル◇『マナス』コルトゥクの子シャクムの愛馬。コルトゥクはマナスに殺されたが、アルタイ人に営地を荒らされたため、シャクムはこの馬に乗ってジャクイプに助けを求めに行った。
アイバンボズ◇『マナス』キルギスの英雄マナスの馬(日常の外出用?)。マナスが11歳の時にこの馬は8歳で、駱駝ほどの背丈があった。その名は「大きな灰色の」の意。
チャブダル◇『マナス』用水路工事の監督ネズカラの駿馬。悪霊とジンが憑いており、主人と会話をして彼に警告を与えることが出来た。その名は「栗毛の」の意。
ウラルボズ◇『マナス』ネズカラの部隊に加わっていた、カムパスに住む無敵の力持ちダンダンの愛馬。ダンダンは力持ちキュニョスを殺すが、カムバルの子アイダルカンに殺された。
アククラ◇『マナス』キルギスの英雄マナスの馬(戦闘用)。初陣はネズカラの部隊との戦闘。その名は「葦毛のやや赤ばんだ」を意味する。
シャルタン◇『マナス』ネズカラの部隊に加わっていた勇士シャンムサールの乗る体躯巨大な馬。シャンムサールはマナスに殺され、この馬はジャクイプに贈られた。


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